スタッドレスタイヤとチェーンの違いは?チェーン規制時は併用する!

高速道路などを走行していると「チェーン規制」という文字を見かけたことはありませんか? 

チェーン規制という文字を見た時に「スタッドレスタイヤを履いているけどチェーンも必要なのかな?」と迷うことがあります。 

特に雪道走行に慣れていない人ならば、スタッドレスタイヤとタイヤチェーンの使い分けも分かりませんよね。 

そこで今回は、スタッドレスタイヤとチェーンの違いや併用可能か?などを解説していきます。 

スタッドレスタイヤとタイヤチェーンの違いは? 

そもそもですが、実際降雪の多い地域に住んでいる人と少ない地域に住んでいる人ではスタッドレスタイヤやタイヤチェーンの認識が異なるようです。 

冬のトラブルに巻き込まれないように、スタッドレスタイヤとタイヤチェーンの違いを紹介していきます。 

タイヤチェーン 

タイヤチェーンは、太い鎖などをタイヤの外周に装着する滑り止め器具の事で、その凸凹が大きな摩擦となり雪道や氷上での走行制動を助ける役目をしてくれます。 

タイヤチェーンには、『金属』『非金属』『布製』の3種類がありますので、それぞれのメリット・デメリットを見ていきます。 

金属チェーン 

スタッドレスタイヤが主流となる前から、チェーンと言えばまず思い浮かべるのがこの金属チェーンですね。 

金属チェーンの中でも『亀甲型』『ラダー型』があります。 

亀甲型 

亀甲型の最大の特徴は、横方向にあるチェーンが制同時に効果を発揮してくれて、亀の甲羅のような形をしています。 

発進時や走行中の「横滑り」に対して、縦向きに張られたチェーンがしっかりと路面に食い込んでくれるので、しっかりと抑えてくれます。 

ラダー型 

金属チェーンの定番と言ってもいいラダー型ですが、購入単価は比較的安く制動に対して効果がありますが、横滑りには比較的弱いと言う弱点もあります。 

メリット 

・比較的低価格 
・路面に対する抵抗が強く、アイスバーンなどのツルツル路面や踏み固められた圧雪路面などでも非常に高い性能を発揮する 

デメリット 

・振動・騒音が大きく、乗り心地があまり良くない 
・チェーンをきつく締めすぎると、タイヤの端が傷んでくる 
・使用後、掃除をして乾燥させないと錆びる事がある 
・スピードが50㎞位までしか出せない 
・高速道路で走ると、チェーンが切れてタイヤハウスやタイヤを傷める事がある 
・乾燥地を走行してしまうと、アスファルトと金属チェーンの摩擦により切れてしまう事がある 
・形状がなく裏表があるので、取り付けに慣れが必要
 

非金属チェーン 

非金属チェーンは、別名「ソフトチェーン」とも呼ばれているのですが、その名の通りウレタンなどを使用しているので、柔らかく扱いやすいチェーンなので走行性は安定したグリップを得ることができますが、轍やミラーバーンなどではあまり効果の期待ができません。 

メリット 

・耐久性は高く、特に走行性能が認められたJASAAマーク(一般財団法人日本自動車交通安全用品協会が性能を審査し認定したもの)がついています
・乗り心地が良い 
・平坦な乾燥路も走行可能 

デメリット 

・形状がはっきりしているので、収納スペースが必要 
・チェーンの中では価格が一番高い 
・ゴムなどが主原料なので、劣化してしまう 

布製チェーン 

布製チェーンは、ポリエステルなどの合成繊維からできていて、チェーンと言うよりタイヤのカバーのイメージが強いです。 

布製なので「性能が心配」と言う声がありますが、実はスタッドレスタイヤをしのぐ性能があります。 

布製チェーンは、路面との摩擦を100%受けることができるので、発進や停止などもスムーズですが、問題点は使用後のしまい方になります。 

布だけに、濡れたまま収納してしまうと布が破れたり劣化を早めたりする原因になってしまうので、「使用後はしっかりと乾燥させる」という事が重要です。 

メリット

・脱着が非常に簡単 
・軽く、保管場所も極めてコンパクト 
・騒音・振動は少なく、乗り心地が良い 
・雪道・凍結路面などでも差し支えなく走行が可能 

デメリット

・他のチェーンより耐久性が低い 
・チェーン規制の時に走行できない可能性がある 

スタッドレスタイヤ 

スタッドレスタイヤは、積雪路面や凍結路面などお走行を目的として作られた冬用タイヤで、低温でも硬くならないゴムが使用されていて、トレッド面(路面との接地面)に深い溝や細かい溝が施されるなど、さまざまな工夫がされているタイヤです。 

性能は年々飛躍的に上がっていて、現在では主流の冬用タイヤと言えます。 

メリット 

・乾燥路面でも走行できる 
・走行スピードは高速道路でも可能 
・走行音は静かで乗り心地が良い 
・耐久性が高く、長期間使用できる 

デメリット 

・価格が高い 
・保管場所が必要 
・アイスバーンなど氷上性能や新雪性能は一般的にチェーンに劣る 
・チェーン規制時にはチェーンの装着が必要 

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高速道路などで見るチェーン規制とは? 

チェーン規制とは、雪国の高速道路などで敷かれる規制の事で、「冬用タイヤ規制(滑り止め装置規制)」と「全車両チェーン装着規制」があります。 

冬用タイヤ規制(滑り止め装置規制) 

冬用タイヤ規制とは、スタッドレスタイヤを装着するか、ノーマルタイヤにチェーンを装着しなければならない状況の事を指します。 

この場合は、どちらか一方を装着していれば通行が可能になります。 

全車両チェーン装着規制 

一方、全車両チェーン装着規制は、スタッドレスタイヤを履いていてもチェーンを装着しなければ走行が困難な程雪が降っている場合や、路面状況が悪化している際に緊急措置として行われるものです。 

この場合はもちろん、スタッドレスタイヤを履いていてもチェーンを装着しなければなりません。 

ちなみに、全車両チェーン装着規制以上の雪が降る場合は、走行に支障があると判断されるため「通行止め」になります。 

スタッドレスタイヤとチェーンは併用できる? 

スタッドレスタイヤにチェーンを装着して併用する事に違和感がある人や「併用はできないんじゃない?」と考える人もいると思います。 

しかし上記で述べた通り、スタッドレスタイヤを履いていてもチェーンを装着しなければならない全車両チェーン装着規制が存在するため、スタッドレスタイヤとチェーンは併用できると言う事になります。 

スタッドレスタイヤだけでは走行に支障が出るほど雪が降っているわけなので、一歩間違えれば命にかかわるような大事故を起こしてしまう危険性があります。 

近年進化を続けているスタッドレスタイヤですが、全ての劣悪な環境に対応できる訳ではないので、スタッドレスタイヤとチェーンを併用できるようにチェーンを載せておくようにしましょう。 

まとめ 

スタッドレスタイヤは冬用タイヤと言われていますが、雪道やアイスバーン用のタイヤなので、通常の乾燥した道路を走るとタイヤが劣化してしまいます。 

一方、普段雪が降らない場所で急な積雪に見舞われるような土地ならば、チェーンだけでも対応できると言えます。 

もしレジャーや仕事などで寒冷地へ行かなくてはならない場合は、スタッドレスタイヤを履いた上で、念のためにチェーンやスコップなどの雪道対策をしておくとベストです。 

また、高速道路でチェーン規制があったらすぐに対処できるように準備しておきましょう。 

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