
冬になると交換するスタッドレスタイヤですが、安くない買い物だからできるだけ長く使いと思いますよね?
しかし、スタッドレスタイヤに寿命があることは意外と知られていなく、「何年か前に買ったけどほとんど使ってないから大丈夫!」などと思い込み、劣化していることに気づかない人も多いようです。
また、寿命内であっても使用状況などによっては、交換が必要なばあいもあります。
安全のためにも、寿命や正確な買い替え時期の目安などは知っておくべき事だと思います。
そこで今回は、意外と知られていないスタッドレスタイヤの寿命や交換時期などを紹介していきます。
スタッドレスタイヤの寿命って?
スタッドレスタイヤにも寿命があると言いましたが、実は明確な寿命というのはありません。
走行距離や使用年数で判断する時もありますが、基本的にはタイヤの状態を確認し、適切な時期に交換する事が必要になります。
ここでは「平均寿命」と「寿命の見分け方」を説明していきます。
スタッドレスタイヤの平均寿命年数
スタッドレスタイヤの平均寿命は、一般的に約3~4年と言われています。
ただし、この年数は使用開始からの年数ではなく、製造年月日からの年数になります。
スタッドレスタイヤも夏用のラジアルタイヤと同じくゴム製品になるので、使用していない時にも経年劣化が起こります。
また、走行距離が長ければ長いほどタイヤは摩耗して、寿命は短くなっていきます。
目安としては、走行距離10,000㎞~15,000㎞とされているので、この距離に近づいたらタイヤの状態を確認するようにしましょう。
寿命の見分け方
スタッドレスタイヤの寿命は、『溝』『硬度』『ひび割れ』などの状態を重要視します。
溝の深さは50%以上
溝の状態を確かめる時は、『プラットフォーム』と『スリップサイン』が重要になります。
スタッドレスタイヤにはプラットフォームと言うマークがトレッドの溝に付いているので摩耗度合いが分かるようになっていて、タイヤの溝が50%まで摩耗すると露出するようになっているので目視で確認する事ができます。
このプラットフォームが露出した場合は交換のサインになります。
また、スリップサインは溝の深さが分かるもので、スタッドレスタイヤだけでなく夏タイヤのラジアルタイヤにもあります。
ゴムの硬度計測
スタッドレスタイヤは柔らかいコンパウンドを使用しているため、一般的なタイヤと比較すると、年々顕著に硬化が進みます。
そのため、タイヤの残り溝に余裕があっても硬化の度合いによっては交換の必要があります。
ゴムの硬度計測は整備工場やタイヤ販売店、ガソリンスタンドなどにあるタイヤのゴムの硬度計でゴムの柔らかさを測定することができます。
しかし、硬度も明確な決まりがあるわけではないので、おおよそ60程度を目安に交換する事が望ましいとされています。
タイヤのひび割れや傷をチェックする
ゴムの経年劣化でゴムが硬化するとひび割れの原因となります。
タイヤをよくチェックしてひび割れや傷が見つかった時は、キチンと専門家にチェックしてもらう事をオススメします。
スタッドレスタイヤの寿命を気にしないといけない理由
製造年月日から4年以上経ってしまったスタッドレスタイヤを使用すると、雪道で走行する際に本来の性能を発揮できない可能性があります。
本来の性能を発揮できない状態で雪道を走行してしまうと、スリップによる大きな事故を引き起こすリスクがあります。
また未使用であったとしても、経年劣化や変化によってゴムが固くなったり、空気圧が変わったりしている場合が多く、正常に走行できなくなるので寿命は気にしなければなりません。
長持ちさせるためのコツ
せっかくスタッドレスタイヤを買ったのだから、できるだけ長く使いたいですよね。
交換時期や寿命を長くするためには、正しい方法でスタッドレスタイヤを保管する事が大切です。
スタッドレスタイヤは保管期間が長いので、その間の管理の仕方で劣化具合が変わってきてしまいます。
スタッドレスタイヤを保管する前にやっておくこと
タイヤ状態をチェックする
保管する前に外したスタッドレスタイヤが来シーズンも使えるかを確認しておきましょう。
『溝は残っているか?』『変摩耗は起こしてないか?』『ひびは入っていないか?』『釘やボルトが刺さっていないか?』などを丁寧に確認しましょう。
汚れを落とす
走行後のスタッドレスタイヤに付いた汚れには、油分やその他の不純物を含んでいるため、これらがタイヤの変質につながってしまいます。
保管前にタイヤの汚れをしっかり落とす事で劣化を防ぐ事ができます。
キチンと乾燥させる
洗ったタイヤに残った水分も劣化につながってしまいます。
タイヤに付着した水分はゴムの変質と内部のワイヤーのサビの原因となり、タイヤの強度を低下させてしまいます。
洗ったタイヤは直射日光の当たらない日陰で乾燥させるのがベストです。
ビニールをかける
保管中にホコリや汚れが付着しないように、ビニールで覆っておく事も重要です。
タイヤのゴムに配合された油分が経年によって揮発する事も劣化の原因に繋がるので、タイヤをビニール袋やストレッチフィルムなどで覆います。
なるべく外気に触れさせないという事が油分の揮発を最小限に食い止める事に繋がります。
最適な保管方法
スタッドレスタイヤの保管場所は、紫外線と熱が避けられる風通しの良い冷暗所が最適です。
雨風をしのげて太陽光にさらされない場所で十分なので、車庫や倉庫内の直射日光が当たらない場所、もしくは生活室内が最適と言えます。
また、空気中の酸素も樹脂を酸化させてしまうため、わずかではありますがタイヤの劣化の原因になってしまいます。
保管状態を最良にしたい場合は、タイヤを真空パックする製品を利用するといいと思います。
保管時は空気圧に気を付ける
空気圧で膨張するタイヤのストレスを弱めるという意味でも、スタッドレスタイヤの保管時はタイヤの空気をある程度抜いておくことが重要になります。
タイヤの形状を保って置ける最低限の空気圧にして保管しましょう。
指定空気圧が220㎪の場合は、150㎪程度まで空気を抜くのが最適と言えます。
保管時の置き方にも気を付ける
スタッドレスタイヤのゴムは柔らかいため変形しやすく、その状態で長期間放置すると元に戻らなくなってしまう恐れがあります。
タイヤのみを保管する場合は、横に積み重ねてしまうとその重さでタイヤが潰れてしまうので、縦置きに保管しましょう。
また、ホイールがついている場合は縦置きにしてしまうとホイールの重さでトレッドが潰れてしまうので、横置きに保管しましょう。
ただし、サイドウォールはタイヤの構造上で一番弱い部分であるため、横置きで積み重ね過ぎるとタイヤを傷める原因になります。
最も理想的なのは、ホイールのハブセンターで支持するタイプのタイヤラックを使用し、タイヤに外部からの力を加えないようにする置き方です。
スタッドレスタイヤの履き替えの目安
スタッドレスタイヤの寿命で交換する事は必要ですが、交換以前にスタッドレスタイヤに履き替える時期を知っておくことも大切です。
新品のスタッドレスタイヤを使用する場合は、タイヤ表面の油や汚れを取り除くためにも、雪のない道路で200㎞程慣らし走行をするのが理想的です。
そのため、新品のスタッドレスタイヤを履く場合は、初雪のタイミングの約1ヶ月前から履き替えるのがオススメです。
気象庁が公開している過去30年のデータから自分の地域の初雪時期が予想できます。
気象庁のデータはこちらから【過去30年のデータ】
まとめ
スタッドレスタイヤは、雪道や凍結路面に適した構造になっているため、冬以外の季節は摩耗や劣化を早めてしまう原因になってしまいます。
上記の寿命の見分け方を参考にして、適切な交換時期を見分けて安全走行できるようにしましょう。
また、保管する場合は雨風を防げて直射日光に当たらない場所に保管する事が大切になってきます。
スタッドレスタイヤを長持ちさせたり、安全走行をするためにも、できるだけ丁寧に扱うように心がけましょう。