
メダカや熱帯魚などの水槽に、ときには大量繁殖するスネールの代表格であるサカマキガイ。
今回は、サカマキガイの繁殖防止に特化して紹介をしていきます。
駆除についてはこちらをご覧ください。
サカマキガイが繁殖しやすい水質とは?
サカマキガイの恐ろしさは、寄生虫である肝蛭を媒介する点と、凄まじい繁殖力を誇る点です。サカマキガイは、特にどのような環境下で、その繁殖力を発揮するのでしょう。
サカマキガイは苔や生き物の死骸があるような汚れた水質を好む
サカマキガイは、苔や生き物の死骸などを食べて生活します。従って、比較的水質が悪いところで発生および生活をします。ときに、水質のバロメーターと呼ばれる所以です。
サカマキガイは弱アルカリ性かつ硬水の水質で繁殖する
また、サカマキガイは酸性の水質は好みません。スネールと呼ばれる種類全般に言えますが、サカマキガイの殻はカルシウムでできているので、酸性の水では、その殻が溶けてしまうのです。殻が溶けてしまうと、長時間生存できない傾向にあります。
つまり、殻をつくるカルシウムが豊富で、その殻が溶けない環境が好ましいわけです。サカマキガイは、弱アルカリ性かつ硬水の水質が、繁殖しやすい条件になります。
ただし弱酸性なら安泰とも限らない
ただし、弱酸性にしておけばそれで大丈夫、とは限らないのでご注意ください。
水槽の底に砂利を入れていたり、物陰をつくるために石を置いていたりした場合、そこからカルシウムが溶けだす場合があります。
砂利や物陰などは、魚の種類によっては欠かせないものですから、サカマキガイの発生防止を考えすぎるあまりに、本来飼育したい魚の環境を損ねるのも考え物ですので、程々に留めていくのが良いでしょう。
サカマキガイの繁殖を防ぐためには水草の工夫などが大切
水質の設定以外で、サカマキガイの繁殖を防ぐ方法としてはどのようなことが考えられるでしょうか。恐らくは、天然の水草を買い、事前処理をして水槽に入れるか、組織培養タイプの水草を買うかの2通りでしょう。
水草を購入したら洗う
水槽でサカマキガイが発生する場合、侵入経路として最も考えられるのが水草です。
サカマキガイの卵(卵のう)は、ゼリー状で透明なため、目視が難しいのですが、その卵(卵のう)が、購入した水草などに付着している場合が多いのです。
また、購入した魚の尾ひれなどに、サカマキガイの卵が付着するケースもあるようです。恐らく、サカマキガイの卵がある水草を泳いだ際に付いてしまったのでしょう。
買った水草を水槽に入れる前に、サカマキガイの卵を予め排除して、水槽内での繁殖を防ぎましょう。
水草の手入れ方法
サカマキガイ侵入を防止するために水草を手入れする場合、主に3つの方法があります。水道水で洗う、熱湯消毒する、薬剤で消毒する、の3通りです。
筆者としましては、水道水洗浄と薬剤消毒を推奨します。熱湯の場合、水草をダメにしてしまう恐れがあるからです。
水道水で洗う
方法は簡単です。水道の蛇口の下に、予め水を張ったバケツを置きます。そしたら、水道の蛇口を捻り、水を出してください。
水を出したら、バケツに水草を入れましょう。入れたら、バケツの水の中で水草を揺すってください。目安としては5分ほどでしょうか。念入りに濯ぐイメージです。
薬剤で水草を消毒する
基本的には、上記の水道水洗浄で問題ないはずですが、万全を期したい方は、専用の薬剤を使って駆除すると良いでしょう。ネット通販でも購入可能です。
殺菌処理済みの組織培養タイプの水草にする
筆者としては、組織培養タイプの水草にする方法をお薦めします。
殺菌処理など手間がかかっていますので、天然の水草を買うよりは高くついてしまいますが、その後の苦労やリスクを無くせると考えれば、決して高いものではないと思います。
まとめ
1.サカマキガイが繁殖しやすいのは、弱アルカリ性かつ硬水の環境下。
2.弱酸性の水にすることがサカマキガイの繁殖対策になるが、砂利(鉱石物)を置くのに迷いが出るなど、主として飼っている魚の種類によってはネックとなる。
3.サカマキガイの繁殖を防ぐためには、水草を工夫するのがベストと考えられる。予め殺菌が施されている組織培養タイプの水草が良い。