
ミナミヌマエビやヤマトヌマエビなどに代表される、水槽の掃除屋と呼ばれるヌマエビ科に属するヌカエビ。水槽内で繁殖をさせながら飼育をすることは可能なのでしょうか?
ヌカエビは高水温が苦手なものの飼育はしやすいヌマエビ科
繁殖について検証する前に、まずはヌカエビの飼育の難易度についてです。結論からすると、ヌカエビは飼いやすいといって良いと思います。
何よりも良いのが、ミナミヌマエビほどではないにせよ、繁殖力があることと、メダカなどの小型の魚であれば混泳が可能であることは大きいでしょう。ヌマエビ科の特性として忘れてはいけない、水槽の掃除をしてくれるという利点もありますね。
また、ヌカエビは本来東日本側に生息していることもあり、高水温は苦手なようですが、他のヌマエビと同様に、温度変化には比較的強いという特性があるようです。
ヌカエビの水合わせは、水温調整よりもアンモニア抜きに意識を
ただ、そうは言っても、飼育を始めるにあたっては、水合わせは行った方が良いようです。水合わせの方法については、こちらの記事をご覧ください。
上記は熱帯魚についてフォーカスしておりますが、基本的な手順は同じです。ヌカエビ(ヌマエビ科)の場合は、水質変化、特にアンモニア濃度に敏感なので、酸素を行き届かせることをより意識してください。
混泳している魚類だけが元気なときは栄養不足かも
また、忘れてはいけないこととして、ヌカエビ(ヌマエビ科)はサイズに似合わず大食いだという事です。最初は元気だったのに、(魚類は相変わらず元気だけど)最近元気がないという場合には、栄養不足かもしれませんので、藻や魚の食べ残しにプラスして専用の餌を入れてあげましょう。
ヌカエビの繁殖はゾエア幼生の段階を挟むものの比較的やりやすい
では、ヌカエビを繁殖させることはどうでしょうか。こちらも結論から言うと、ミナミヌマエビほどではないが、ヌカエビも繁殖させやすいです。
ヌカエビとミナミヌマエビの違いはゾエア幼生の有無
簡単に言うと、ヌカエビとミナミヌマエビの繁殖の違いは、ゾエアと呼ばれる幼生期間を挟むか挟まないかです。ヌカエビの繁殖はゾエア幼生の期間を挟み、ミナミヌマエビの繁殖はゾエア幼生を挟みません。
ヌカエビは、母親エビのお腹の中で育った卵から孵化すると、エビの形ではなくプランクトンみたいな状態でまずは産まれます。ミナミヌマエビは、この工程を挟まずに稚エビの状態で産まれます。ヌカエビは、このゾエア幼生の状態で水槽内を浮遊して成長したのちに、稚エビへと変態していくのです。
ゾエア幼生の段階は別水槽で単体飼育がベター
同一の水槽では絶対にダメとまではいかないでしょうが、なるべくであればゾエアは別水槽にして飼った方が良いでしょう。どうしても、ゾエアは魚の餌になってしまいがちなようです。
ヌカエビの場合、ヤマトヌマエビのそれとは違い、汽水でなく淡水飼育で問題ありません。
まとめ
1.ヌカエビは、高水温とアンモニア濃度に注意を払えば比較的飼育しやすい。
2.ヌカエビはミナミヌマエビとは異なり、成体に至るまでにゾエア幼生の期間を挟む。
3.ただしヌカエビのゾエア幼生は、ヤマトヌマエビのゾエア幼生とは異なり、淡水で飼育可能なので難しくはない。