
唐突にポストの中に投函されている「LPガスの法定点検」のチラシ。点検希望日について聞かれていたり、点検を拒否するかの意思確認をする欄があったりで、どうすれば良いのか悩むところでしょう。
今回は、LPガスの法定点検について紹介していきます。
LPガスの法定点検は4年に一度
いきなりチラシが投函されているので、新手の詐欺かと一瞬疑いたくもなるのですが、LPガスの法定点検は、国(法律)で定められた、しっかりとした点検業務になります。従って、怪しいものではありません。安全のために、4年以内に一度、安全点検及び調査を行うことが義務付けられているのです。
なぜ法定点検が必要か
住人にとっては、正直なところ面倒くさいものであろう法定点検ですが、間違いなく必要なものではあります。なぜなら、住まいにおけるガスの事故は意外と多いからです。実に、年間100件以上発生しています。最も多い原因は住人の不注意であるようですが、ガス管の劣化やガス機器の不具合による事故も少なくはありません。
発想を切り替えれば、たった4年一度です。保険的な意味合いで、やっておいた方が良いでしょう。
法定点検を断ることはできるの?
LPガスの法定点検は、強制ではありません。従いまして、拒否することは可能です。ただしこれが厄介で、実際には受けざるを得ない内容となっているので注意してください。主な理由は二点です。
まず一点目です。業者によっては、拒否を選択した場合に、業者側の判断でガスを止められるケースがあります。そして二点目が、お住まいの物件でガスの事故が発生した際に、保険などによる補償が受けられなくなる可能性が高い点です。賃貸物件の場合なら、あなたが訴えの対象になってしまうケースもゼロとは言えません。
このように、拒否をするという選択は与えられているものの、拒否することのリスクが非常に大きい法定点検ですから、ここはひとつ我慢をして、きちんと受けておくべきでしょう。
それに、LPガスの法定点検には料金がかかりません。無料です。タダだからいい、というわけでは当然ないのですが、住民にとって、受けやすい環境は整えられていますから、そういった意味でも断らない方が良いでしょう。
LPガスと都市ガスでは違うの?
こんな面倒な点検は、自分の物件がLPガス(プロパンガス)だからなのか?と思ってしまうかもしれません。しかし、そんなことはなく、都市ガスでも同様に、4年以内に一度の法定点検が義務付けられています。
LPガスの法定点検の内容とは?
ところで、LPガスの法定点検って、一体どのようなことをするのでしょう?
検査員は室内に入る?点検通知から点検までの流れ
点検の実施日時の決め方は、業者によって異なります。まずは指定日時を提案のうえ、無理なら変更の旨を受け付ける方法をとる業者、候補日時を2~3日指定するよう求める業者など、様々です。
点検日時が決まったら、あとは当日を迎えるだけです。点検の際には、住人の立ち合いが求められます。なぜならば、ガスコンロなどの栓の状況を確認したりする必要があるため、検査員は室内に入るからです。
女性の一人暮らしの方や、身体に不自由があって、万一の心配を感じる方は、家族や友人、知人などに同伴をお願いするとより安心でしょう。
どのくらいの時間がかかる?
立ち合いの必要がある、といっても、それほど身構える必要はありません。なぜなら、ガスの法定点検にかかる時間は20分程度だからです。点検前の住人への説明時間を含んで、その程度の時間です。あっという間といえるでしょう。
点検項目は?
基本的には、外周のメーターおよび給湯器の状況と、室内のガスコンロおよび警報機の作動状況の確認がメインになるようです。
交換が発生するケースとして多いのが、コンロのガスホースや警報機のようです。場合によっては閉止弁の交換が発生することもあるかもしれません。
いずれにしましても、一般的に20分で終わることからも想像がつくように、ガス周りの状況(部品)をピンポイントで点検するということになります。
今後の点検や交換の頻度は?
基本的には、ガスの法定点検は4年に一度です。従って、よほどのことが無ければ、次にやってくるのは4年後ということになります。
ただ、ガスホースが15年に1回の交換を義務付けられていたり、その他の機器についても、数年に一度のペースで交換を義務付けられていたりしますから、兼ね合いによっては、次回の点検が、それらの交換を兼ねて4年未満になる場合もあるでしょう。その辺は臨機応変に対応してください。
まとめ
立ち合いが必要であり、かつ検査員が室内に入ることからも、心情的には避けたいと感じてしまうLPガスの点検通知ですが、拒否した時のリスク、実際にかかる費用や時間との見合いを考えた際には、断らずに受けるべきと断言できます。
我慢は一瞬です。労を惜しまずに立ち合いましょう。