車のエアコンの臭い対策!原因はカビとバクテリア!消臭剤では限界

車のエンジンをかけてエアコンを入れた時に、車内の吹き出し口から『嫌な臭いが吹き出す』こんな経験がある人も多いと思います。 

しばらく車を使わずに久しぶりに車のエンジンをかけた」あるいは「季節の変わり目に初めて冷房または暖房を入れた」こんな人に多くきく症状だと思います。 

慌てて芳香剤を買ってきても嫌な臭いと芳香剤の匂いが混ざってしまい、さらに酷い臭いになったという経験がある人も意外と多いと思います。 

そこで今回は、「なぜ嫌な臭いがするのか?」そして「それを解決する方法はあるのか?」エアコンの臭いについて解説していきます。 

車のエアコンの仕組み(冷房の場合) 

車のエアコンは、冷媒(エアコンガス)を循環させて、気化する時の温度差を利用して車内を冷やしています。 

エアコンガスは、コンプレッサーで圧縮され高圧・高温の液体になり、液体となった冷媒はラジエーターと同じ機能を果たすコンデンサー(凝縮器)で冷やされます。 

そして、エバポレーターという冷却器の入り口には、エキスパンションバルブがあり、その細いノズルから冷媒はエバポレーターの中に吹き出され急激に気化するのですが、この時周囲の熱が奪われて、エバポレーターの温度が下がります。 

エバポレーターの後ろにはブロアー(扇風機)がセットされており、エバポレーターで冷やされた空気をダクトで車内に導く事によって車内が冷える仕組みになっています。 

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エアコンの嫌な臭いの正体はカビとバクテリア 

エアコンは冷媒が気化と膨張を繰り返す事で冷気を作っていますが、この時に大量の水を発生させます。 

そのため、ドレンホースという部品がついていて車外に排出しますが、その方法は引力を利用した自然排出であり、ポンプなどを使った強制的なものではありません。 

この水の溜まる場所は、車内に設けられたエバポレーターを覆うケースの中にあります。 

そのため、分解しなければ簡単に手が届かないので、このケースの中はエアコンを作動させている限り常に温度の高い状態になっています。 

この状態で、ヒーターの熱がこの部分を温めれば大量のカビやバクテリアが発生します。 

つまり、嫌な臭いの主な原因はこのカビとそこに発生するバクテリアなどの菌によるものになります。 

先ほどお話しした通り、エバポレーターケースの中には手が届かないため、一度カビやバクテリアが発生すると簡単に除去することはできません 

そこで発生したカビやバクテリアは、新たな胞子をドンドン吐き出したり分裂して増殖してしまいます。 

どれだけ車内の空気を入れ替えたり外側をキレイに掃除しても、簡単に臭いが取れない理由はここにあります。 

消臭剤だけでは限界がある 

車には新車の時から独特な匂いがありそれが嫌な人もいますが、家の匂いと同じでいずれは慣れて気にならなくなりますよね。 

そうでなくても芳香剤や消臭剤を使えば、すぐにでも解決してしまう事もあります。 

しかし、悪臭はそうではなく多くの人が不快感を持つもので、何とかして解消したいと思うものです。 

エバポレーターケース内のカビやバクテリアは除去しないと臭いが取れないので、消臭剤や芳香剤でごまかしても根本的な解決策とは言えません。 

エアコンの嫌な臭いの解決策は? 

エアコン専用消臭剤を使う 

実は、40年程前からこの問題を解決するために、エアコン消臭スプレーといわれる専用のグッズが市販されています。 

このグッズは、エアコンの吹き出し口からスプレーノズルを差し込み、エバポレーターケースに向けてカビやバクテリアを除去する薬剤を噴霧するというものです。 

この薬剤には『カビやバクテリアを除去する成分』『カビやバクテリアを発生させないようにする成分』『すでに発生している嫌な臭いを消す成分・良い香りがする成分』といったものが含まれています。 

エアコン専用消臭剤にも弱点がある 

スプレーをかけた当初はある程度カビやバクテリアの臭いを解消してくれますが、エアコンを使っているうちに臭いが再び発生してきてしまう事があります。 

これは、エアコンの吹き出し口からスプレーするというやり方では、エバポレーターケースの奥まで薬剤が届いていないためです。 

これは、エバポレーターから作られた冷気を車内に送るダクトがまっすぐではないため、薬剤が奥まで届かないのでカビやバクテリアを完全には除去できていないのです。 

エアコンフィルターを交換するのが悪臭を防ぐ 

車のエアコンにも当然フィルターが付いていて、家庭用のエアコンのように冷気を吹き出すために必要な空気の取り入れ口付近に付いています。 

このフィルターの本来の役割は、空気を取り入れる際にゴミや異物が吸い込まれ、エバポレーターなどが損傷する事を防ぐというものです。 

エバポレーターはアルミニウム製の細かな造形を部品なので、外部からの衝撃には強いとは言えません。 

万が一損傷してしまうと冷媒ガスが漏れるなど、エアコンが故障してしまい多額の費用をかけて修理しなくてはなりません。 

このエアフィルターに臭いの原因となるカビの胞子や、カビ・バクテリアのエサになるホコリやゴミを除去する力が備わっています。 

つまり、常に清潔な状態にしておくことが嫌な臭いの防止につながります。 

しかし、家庭用のものもように簡単に掃除をすることはできないので、一定期間で交換する事が望ましいです。 

車のエアコンの洗浄方法 

車のエアコンの嫌な臭いの原因は、エバポレーターケースに発生するカビやバクテリアと上記で述べましたが、これを除去出来れば問題は解決します。 

しかし、簡易な方法では効果が低いうえに、持続性が無いので掃除のプロに頼むという選択肢が出てきます。 

エアコンのエバポレーターは簡単には表にでてきませんので、それを丸洗いするとなったら手間とお金がかかる作業になってしまいます。 

そこで専用機器を使用し、水分を除去してカビやバクテリアを排除できる作業メニューが、カー用品店やディーラーに登場しました。 

やり方は大きく分けて2つあり、1つはエアコンの吹き出し口から機器を差し込み、エバポレーターを直接洗浄するタイプのものです。 

エバポレーターを取り外して洗うわけではないので、完全にキレイになるわけではありませんが、効果はかなり期待できます。 

費用は車種によって異なりますが、4,000円~10,000円程度で利用できます。 

もう1つは、整備工場などではエバポレーターを取り外して洗浄するサービスを行っているところがあります。 

確かに臭いの原因を除去する一番の方法かもしれませんが、費用が比較的高額であること、そしてエバポレーターを取り外しての洗浄は、車メーカーでは前提にしておらず、保証の範囲外となってしまうので、この方法はあまりオススメできません。 

自分でやるエアコンの臭い対策 

家庭用エアコンの臭いを消す裏ワザとして、「16℃に室内温度を設定して1時間つけっぱなしにしておく」とか「暖房を30℃に設定して1時間つけておく」といった事がありますが、車のエアコンにも同様に、「ヒーターを10分程度回しておく」といった裏ワザがあります。 

この方法は、エバポレーターケースの水分を蒸発させる効果があり、車を使用した後にこういった処置をしておくと、湿気を好むカビやバクテリアは繫殖できなくなります。 

カビやバクテリアの天敵は『乾燥』なので、雨の日など特に湿度の高い日に運転した後は、こういったメンテナンスを怠らなようにすれば、悪臭を防ぐ事ができます。 

まとめ 

嫌な臭いの原因はカビやバクテリアですが、それを増殖させるのはエバポレーター内の水分です。 

これを放置しないように、ドライブなどのあとはヒーターを上手く活用して、早く乾燥させるようにしましょう。 

また、エアコンを使いだすシーズン前などには、エバポレーターの洗浄やエアフィルターの交換などをしておくと、快適なカーライフが送れると思います。 

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