
自動車のメーターパネルには様々な『警告灯』がありますが、その中でも「ブレーキ警告灯」はブレーキにかかわるトラブルをドライバーに知らせてくれるとても大事な警告灯です。
ブレーキ警告灯は、基本的にサイドブレーキ(パーキングブレーキ)をかけると点くものですが、「サイドブレーキ(パーキングブレーキ)を解除したのに消えない」事もあります。
これは、ブレーキ警告灯が点くのはサイドブレーキ(パーキングブレーキ)を引いたときだけではないため、起こる現象です。
そこで今回は、ブレーキ警告灯が点く原因や消えなくなった時の対処法などを解説していきます。
ブレーキ警告灯とは?
ブレーキ警告灯とは、『サイドブレーキ(パーキングブレーキ)の作動状態』『ブレーキオイル不足』『ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)』などブレーキ機能になんらかの異常がある事を知らせてくれる警告灯です。
ブレーキ警告灯と言っても車には多くの表示灯があるので、どれがブレーキ警告灯かわからない人もいると思います。
サイドブレーキ(パーキングブレーキ)を引くと赤く点灯するビックリマーク(!)がブレーキ警告灯になりますが、その他にもブレーキ警告灯が点灯する原因がありますので、確認していきましょう。
ブレーキ警告灯が点灯する原因や対処法
ブレーキ警告灯が点灯する原因は、『サイドブレーキ(パーキングブレーキ)の解除し忘れ』『ブレーキオイル不足』『センサーの故障』『ABSの故障』『ブレーキアシスト装置の故障』この5つが挙げられます。
原因①サイドブレーキの解除し忘れ
ブレーキ警告灯が点灯している原因で一番多いのが、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)の解除し忘れです。
サイドブレーキ(パーキングブレーキ)を引いたまま走行を続けると、摩擦で沸騰したブレーキオイルの蒸発によって、ブレーキオイルに気泡が生じブレーキが効かなくなってしまうので、十分注意しなければなりません。
このブレーキが効かなくなる現象を「フェード現象」「ベーパーロック現象」といい、非常に危険な現象なので、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)の解除し忘れに気付いたら直ちに解除しましょう。
原因②ブレーキオイル不足
ブレーキオイルが不足している場合も、ブレーキ警告灯が点灯する原因となります。
車のブレーキはブレーキオイルの油圧を利用して作動しているので、ブレーキオイルが足りないと十分な制動力が働かず、非常に危険な状態となります。
サイドブレーキ(パーキングブレーキ)を引いていないにも関わらず、ブレーキ警告灯が点灯し続けていたら、車を安全な場所に停車してブレーキオイルの残量を確認し、足りない場合は速やかに補充する必要があります。
ブレーキオイルが減る理由は?
ブレーキオイルは通常、消費されて減るという事はないのでブレーキオイルが減るという事は、ブレーキ系統に異常がある可能性があります。
ブレーキ系統の異常の1つとして考えられるのは、ブレーキパッドの摩耗です。
ブレーキパッドは摩耗すると、その分だけ前に出てシリンダー内のブレーキオイルもその分移動するので、結果的にブレーキオイルの液面が下がります。
摩耗したブレーキパッドは制動力が低下しており、ブレーキが効かなくなる危険もあるので、ブレーキをかけた時に「キーキー」という音が聞こえてきたら、速やかにブレーキパッドとブレーキオイルの交換をオススメします。
原因③センサーの故障
リザーバータンクのキャップにブレーキオイルの残量を計測するセンサーが通っていて、このセンサーの故障がブレーキ警告灯が点灯してしまう原因になる場合もあります。
このセンサーは、オイルの残量が減るとセンサー周りの水面が低下し電流が流れてブレーキ警告灯が点灯する仕組みになっています。
ブレーキオイルの残量が正常なのにブレーキ警告灯が消えない場合は、センサーが故障している可能性が高いとも言えます。
原因④ABSの故障
サイドブレーキ(パーキングブレーキ)も引いておらず、ブレーキオイルの残量も十分な時に、ABS警告灯と同時にブレーキ警告灯も点灯する場合があります。
この場合、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が故障している恐れがあるので、安産性能面において非常に危険な状態と言えます。
自分で修理することは難しいので、速やかに最寄りのディーラーや整備工場などで点検を受ける必要があります。
原因⑤ブレーキアシスト装置の故障
ブレーキアシスト装置とは、急ブレーキなど強い力でブレーキを踏む必要がある時に自動で倍力する装置です。
ブレーキペダルを踏む力は電子制御ユニット(ECU)へ伝えられ、倍力やABSの作動などをコントロールしています。
ブレーキアシスト装置の故障はあまり聞きませんが、故障した場合ブレーキの効きがコントロールできないためにブレーキ警告灯が点く事が考えられます。
故障はABSと同様に、コード番号が電子制御ユニット(ECU)に記憶されるので、ディーラーや修理工場でコードの解読をしてもらいましょう。
まとめ
ブレーキ警告灯が消えない原因などを解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
ブレーキ警告灯が点灯していてサイドブレーキ(パーキングブレーキ)を解除しても消えないという事は、安全に重大な危険が迫っているといっても過言ではないと思います。
車の安全性を確保するという事は、自分の命だけでなく他人の命も守る事にも繋がるので、こまめな点検を心がけるようにしましょう。