
住宅地を夕暮れ時に飛んでいるコウモリ。
同じように、街中を飛んでいるスズメやハトは、時々飼っている人がいますが、コウモリを飼っている人はいないのでしょうか?
今回は、コウモリをペットで飼うことについて考えてみたいと思います。
野生のコウモリをペットで飼育するのは無理
まずは街中を飛んでいるあのコウモリをペットにできるのか、について考えてみましょう。あれは、アブラコウモリという小型種ですが、ペットにできるのでしょうか。 答えは、野生のコウモリはペットにできない、です。
鳥獣保護法は捕獲にも規制がかかる
まずは鳥獣保護法の存在です。同法は、駆除についてはもちろんのこと、捕獲についても規制されます。公園を飛んでいるアブラコウモリを網で捕まえて・・・ということは、法律上できないというわけですね。
飼った人間が病気にかかってしまう
正直なところ、こっちの方が問題でしょう。他の記事で紹介させていただきましたが、野生のコウモリは害虫やウイルスの温床と言っても過言ではありません。最悪の場合、あなた自身が重度の肺炎に罹って・・・というリスクをはらんでまでチャレンジすることではないでしょう。
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コウモリをペットにすることはできるが種類はオオコウモリに限られる
では、野生のものでなければ、コウモリをペットにできるのでしょうか。結論を言うと、ペットにできます。
ただし、種類が限られます。先述のアブラコウモリのような小型コウモリではなく、大型のオオコウモリ(フルーツバット)になります。
フルーツバットは果汁を餌にする温和なオオコウモリ
フルーツバットは、広義だとオオコウモリ全般を指しますが、厳密には、フルーツを餌にしているオオコウモリのうちの一種になります。
オオコウモリの正確は温和で、人懐っこい性格です。生き物全般でも、比較的飼いやすい部類と言えるようです。
輸入禁止の影響でペット用のコウモリは流通量が少ない
ペットとして飼うことができるオオコウモリは海外原産のものなのですが、現在、コウモリの輸入は禁止されています。従って、ペットショップで販売しているのは、輸入が禁止される以前に輸入され、国内で繁殖されたオオコウモリのみとなります。
そのため、入手は簡単ではありません。購入できる時期や店などは限られることは頭に入れておいてください。
コウモリでペット飼う場合の餌やりなどの注意点は?
最後に、いざ、コウモリを飼うとなった際の注意点について紹介します。
餌やりは栄養バランスを意識して
まずは餌やりについてです。フルーツバットとも言われるように、ペットで飼える種のオオコウモリは確かに果物を食べるのですが、飼育となったら栄養バランスを考慮した餌やりを行ってください。
主食は果物で問題ないのですが、栄養補助的な位置づけで、ローリーネクター(鳥用の果実パウダーフード)やビーポーレン(蜜蜂が集めた花粉団子で犬用などペットフードにも使われる)などを活用すると良いでしょう。
できれば複数頭で飼育を
コウモリは本来、集団生活をする生き物です。ペットとして飼うと数万円はくだらず、高額ではあるのですが、コウモリにストレスを与えない意味でも、可能であれば複数頭で飼育した方が良いでしょう。
本来の環境を考慮した飼育を
オオコウモリは本来、暖かい環境で暮らしている生物です。熱帯魚の飼育と同じように、部屋を寒くしないことを心がけましょう。エアコンのつけっ放しは不経済ですから、ヒーターを事前に購入して、部屋が寒くならないようにしてあげてください。
また、オオコウモリには昼行性のものもいますが、基本的にコウモリは夜行生物です。夜は明るくせず、照明を落として薄暗くしてあげましょう。
コウモリを診察可能な動物病院のチェックを
ある意味、これが一番大切かもしれません。コウモリを飼育する際には、コウモリを診察してくれる病院の所在を事前に調べておきましょう。すべての動物病院がコウモリを診察してくれるわけではありません。寧ろ、コウモリを診察してくれる動物病院は少ないです。
まとめ
1.野生のコウモリはペットにできないが、外来のオオコウモリ(フルーツコウモリ)ならペットにすることができる。
2.ただし、現在はコウモリの輸入が禁止されており、以前から繁殖されている種類しかペットで購入できないため、ペット用のコウモリは希少になっている。
3.オオコウモリは温和で人懐っこく、飼いやすい生き物だが、コウモリを診察可能な動物病院が少ないなどの課題もあるので、事前の準備は忘れずに。