
ケーキやクッキーなどをつくろうとして、料理本やレシピサイトなどを見ると頻繁に出てくる「粉砂糖」というキーワード。粉糖(パウダーシュガー)や砂糖とは一体どのように違うものなのでしょうか?
粉砂糖と粉糖(パウダーシュガー)は同じもの
実は、粉砂糖と粉糖は、同じものなのです。
ではなぜ、違った呼び名があるのか、という疑問が浮かんでくるでしょう。
いま現在、明記している文献を探し当てられていないのですが、恐らく、次の区分け上の問題からなのかな?と推察されます。
粉砂糖の中でもグラニュー糖100%で出来たものを純粉糖と呼ぶ
粉砂糖とは、元々は原材料がグラニュー糖100%のものを指していたようです。「純粉糖」と呼ばれるものです。しかし、結晶が小さくサラサラした触感が特徴のグラニュー糖は、水などに溶けやすい特徴も併せ持っています。つまりは、湿気ってしまうということです。
そうならないよう、グラニュー糖にコーンスターチやオリゴ糖を混ぜた、純粉糖に比べると湿気りにくいタイプの粉糖がつくられました。
どちらも列記とした粉砂糖なのですが、純粉糖との区別を図る中で、時には違ったものなのかと誤解されてしまう状況になってしまったのかと推察します。
ではグラニュー糖と砂糖と上白糖の違いとは
折角の機会ですので、少し派生させて砂糖について調べてみました。グラニュー糖と砂糖、三井製糖の製品でよく見る「上白糖」。これらは、それぞれ何が違うのでしょうか。あわせて紹介していきます。
グラニュー糖と上白糖はそれぞれで種類の違う「砂糖」
先に答えを書くと、グラニュー糖も上白糖もともに、「砂糖」です。ただし、生物分類的にいうと、科目が違う、といったところなのです。簡単に解説していきます。
砂糖は製法によって含蜜糖と分蜜糖に分類される
砂糖の原料は?と聞かれたら、多くの人が回答できるでしょう。そう、サトウキビです(厳密にはヤシやモロコシなどもですが、ここでは割愛します)。
まずは、そのサトウキビを精白するかしないかで大きく2種類に分けられます。精白していないものを含蜜糖(がんみつとう)、分離作業で精白したものを分蜜糖(ぶんみつとう/精製糖とも呼ぶ)と呼びます。
グラニュー糖も上白糖も、ともに分蜜糖のなかの1種になります。
グラニュー糖はザラメ糖と呼ばれる分蜜糖のうちの一種
では、グラニュー糖と上白糖の違いは何か、となると、分蜜糖をつくる工程で出来た結晶の違いによる分類となります。グラニュー糖は、分蜜糖の中では結晶が大きく、ザラザラした触感が特徴である「ザラメ糖」の一種にあたります。
ザラメ種は、他の種類に比べて、さっぱりとした甘みが特長となります。従って、グラニュー糖も、コーヒーや紅茶などの飲み物に混ぜる砂糖として使われるほか、調味料やお菓子作りの砂糖としてなど、幅広く使われるわけですね。
上白糖は車糖(くるまとう)と呼ばれる分蜜糖のうちの一種
一方、上白糖は、ザラメ糖よりも結晶が小さい、車糖(くるまとう)の一種類になります。
上白糖はグラニュー糖に比べると、コクのある甘みでしっとりとした感触なのが特徴です。
日本では、上白糖が、最もポピュラーなタイプの砂糖と言えるでしょう。用途は・・・、言うまでもないですね。あなたが普段使っている通りです。
また、上白糖とグラニュー糖で大きく違うのが、上白糖は、表面に「転化糖」という甘味料が加えられている点です。従って、グラニュー糖よりは人工的と言えますね。 上白糖は、この転化糖を液状にして、表面に加えられた状態でつくられるため、表面に水分が保たれていて、しっとりとした感触になるわけです。
まとめ
1.粉砂糖と粉糖は同じものを指す。
2.粉砂糖には、100%グラニュー糖でつくられた純粉糖と、コーンスターチやオリゴ糖を混ぜたタイプなどがある。
3.さらに気になったのでグラニュー糖と上白糖について調べた。グラニュー糖と上白糖はともに分蜜糖のカテゴリーに区分されるが、製造工程でできた砂糖の結晶の大きさによって種別される。
4.グラニュー糖はザラメ糖、上白糖は車糖の一種となる。