
近年さまざまなハイブリッド(HV)車が販売されていますが、ハイブリッド車の特徴や燃費の違いなど、難しくてあまり理解していない人もいると思います。
ハイブリッド車にするからには、当然燃費の事が気になる所なのですが、メーカーが出しているカタログにも記されている数値を見ても「街乗りしたらこんな数値はでないよ!」などの声も良く耳にします。
また、昨今人気のPHEV・EVや夢のエネルギーと言われているFCVなどもどうなのか気になるところです。
そこで今回は、HV・PHEV/PHV・EV・FCVの違いを解説していきます。
HV・PHEV/PHV・EV・FCVの違いとは?
専門用語が多く解りづらい自動車業界ですが、少しでもわかりやすく解説していこうと思います。
違いを解説する点で注目すべき点は①『動力・エネルギー』②『コンセントからの充電(外部から充電できるか)』の2つなので、このポイントを切り口として解説していきます。
違いが分かりやすくなるようにEV⇒HV⇒PHEV/PHV⇒FCVの順番で解説したいと思います。
EV(電気自動車)
【代表車種】
日産 リーフ/三菱 i-MiEV
①メインの動力・エネルギー:モーター・電気
②コンセントから充電:できる
EV(電気自動車)はモーターだけで車を動かしますので、使用するエネルギーは100%電気になります。
ガソリンで動くエンジンが搭載されてないため給油する事はありませんが、電気を充電する必要があります。
したがって、維持費はガソリン代ではなく電気代と言う事になります。
電気は公共設備として設置された充電スタンド、もしくは家庭用コンセントから充電します。
公共設備での急速充電は、車種にもよりますが約30分程度で完了するので、マンション・アパートなど家庭用設備を設置できない場合でも、日常で使う分の電力は十分に賄う事ができます。
・維持費が安い
・エコカー減税の減税率100%
・グリーン税制の減税率75%
・CEV補助金が適用される
・航続距離が短い
・充電に時間がかかる
HV(ハイブリッドカー)
【代表車種】
トヨタ プリウス/スズキ ワゴンR(マイルドハイブリッド)
①メインの動力・エネルギー:エンジン・ガソリン
②コンセントから充電:できない
HV(ハイブリッドカー)のエネルギー源はガソリンなのでエンジンが搭載されていて、モーターも付いていますが、あくまでも燃費を良くする補助的な役割になります。
電気はコンセントから充電できないので、維持費はガソリン代と言う事になります。
コンセントから充電できないのに「モーターはどうやって動いているの?」と言う疑問を持つと思いますが、HVは「走行中に余った力をうまく使って発電する」という仕組みになっているので、コンセントから充電する必要が無いのです。
・EV走行時はガソリンを消費しないので、通常のガソリン車より航続距離が長い
・上記と同じ理由で、通常のガソリン車より燃費が良い
・エコカー減税とグリーン税制がある※車種によって変わります
・メインがガソリンなので、EVと比べると維持費が高い
・CEV補助金が適用されない
PHEV/PHV(プラグインハイブリッドカー)
【代表車種】
トヨタ プリウスPHV/三菱 アウトランダーPHEV
①メインの動力・エネルギー:モーター・電気
②コンセントから充電:できる
PHEV/PHV(プラグインハイブリッドカー)は、簡単に言えば「HVを充電できるようにした車」です。
充電スタンドや家庭用コンセントから充電する事が可能で、さらにエンジンも搭載されているので、ガソリンでも走行する事もできます。
PHEV/PHVの最大の特徴は、EVとHVでは不可能な「エンジン単体での発電」が可能な事です。
PHEV/PHVのエンジンは走行の為ではなく、発電の為に付いてると言っても過言ではありません。
HVのデメリットであった維持費の高さなどが改善された「いいとこどり」の車と言えます。
・充電ができるので、維持費が比較的安い
・発電しながら走行できるので、航続距離が圧倒的に長い
・エコカー減税の減税率100%
・グリーン税制の減税率75%
・CEV補助金が適用される
・エンジンとモーターをメインユニットとして両方搭載するので、車両価格が高額
FCV(燃料電池自動車)
【代表車種】
トヨタ MIRAI/ホンダ クラリティ FUEL CELL(リースのみ)
①メインの動力・エネルギー:モーター・電気(車内で発電)
②コンセントから充電:できない
FCV(燃料電池自動車)は少し特殊な自動車で、その実態は外部充電しないEVと言う事になります。
トヨタ MIRAIとホンダ クラリティ FUEL CELLは、液体水素を燃料として自家発電するので、自分で作った電気をエネルギー源として走行する燃料電池自動車になります。
したがって、充電はせず専用の水素ステーションから水素を補充します。
・FCVが走行する事で排出される二酸化炭素はゼロ
・水素を補充する水素ステーションの普及率が低い
・一般的な技術ではないため、車両本体価格が高い
カーライフ別オススメのエコカー
使い勝手が良いのはHVとPHEV/PHV
エコカーとして使い勝手が良いのは、ガソリンスタンドで給油ができるHVとPHEV/PHVだと思います。
なかでも、PHEV/PHVは高い環境性能と使い勝手を両立したオススメのエコカーと言えます。
自宅で充電できる環境があり充電しておけば、近所へ買い物に行く程度であればガソリンを使わなくても走行できます。
また、遠出の際に充電がなくなっても動力源をガソリンに切り替えられるので、航続距離の心配がなく安心してドライブできます。
街乗りユーザーにはEVがオススメ
EVは、近所への買い物や街乗りといった、決まった場所や範囲で車を使う人にオススメです。
特にEVの場合は、自宅に充電設備があればスマホのように夜間に充電しておくなど、効率よく使うことができます。
また、自宅に充電設備が無く100%外部充電する方法でも、ディーラー・スーパー・コンビニなどの設備で充電できるので、日常でも買い物中に充電すなどスムーズにEVに乗る事ができます。
まとめ
それぞれの特徴などを解説しましたが、いかかがでしたでしょうか?これらをまとめると
EV:モーターだけで走行する電気自動車
HV:エンジンをモーターで補助するガソリン車
PHEV/PHV:発電と充電の両方ができる、EVとHVのいいとこどりの車
FCV:水素で発電する電気自動車
となり、PHEV/PHVはEVとHVの中間、FCVはEVの一種である事が解ります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、購入する前に自分の運転環境にあった車を選ぶと地球にも優しいカーライフを送れると思います。