
昨今ハイブリッドカーは、大衆車と言ってもいいほど街中で良く見かけます。
ハイブリッドカーと言えば、「燃費がいい」「環境に優しい」などのメリットはよく知られていると思います。
しかし、そんなハイブリッドカーにもデメリットがある事を知っている人は少ないようです。
そこで今回は、今さら聞けないハイブリッドカーの特徴やメリット・デメリットについて紹介していきます。
ハイブリッドカーとは?
ハイブリッドカーとは、一般的にはガソリンで動くエンジンと、電気で動くモーターも2つの動力源を持っている車の事を指します。
ハイブリッドカーの仕組み
ハイブリッドカーの走行の仕組みはいくつかありますが、一例をあげると速度が低い時は電気で動くモーターを使って走行し、燃費の効率が良い速度になった時にはガソリンで動くエンジンに切り替えて走行するという仕組みになっています。
そうすることで、速度が低い時に燃費が悪くなる(アクセルを踏み込むため)と言う一般的なガソリン車のエンジン性質を補う仕組みになっています。
そのため、従来のガソリン車より燃費の効率が良くなり、CO2や排気ガスの量を抑えることが可能になっています。
その他にもハイブリッドカーに欠かせない有名な技術で、【回生ブレーキ】と言うものがあります。
ガソリンなどの燃料は、エンジンで熱エネルギーに変換され、その熱エネルギーが起こす空気の膨張を利用してシャフトを回転させる(運動エネルギーに変換する)事で自動車を駆動します。
自転車などと同じように、自動車のブレーキは駆動しているプレートをブレーキパッドで挟み込む事で運動エネルギーを熱エネルギーに変換して静止します。
ここで発生させた熱エネルギーは空気中に拡散してしまうため、もう取り返す事が出来ませんでした。
回生ブレーキは走行用に利用しているモーターを発電機として利用していて、車が動いている勢い(運動エネルギー)を発電機につなげ、もう一度エネルギーに変換してそれを蓄電する事で、再利用できるようにしたものです。
ハイブリッドカーはさまざまな先端技術を使って実現されていますが、各メーカーが新しい技術の開発に毎日しのぎを削っていますので、これからも画期的な仕組みが登場すると思います。
ハイブリッドカーのメリット
ハイブリッドカーのメリットは幾つかありますが、今回は『燃費の良さ』『環境への影響』『購入時に適用される減税』『運転の静粛性』『エンジンが長持ちする』この5つを紹介します。
メリット①燃費の良さ
上記で述べた通り、ハイブリッドカーはエンジンとモーターを組み合わせているため、燃費の効率がとても良いので、ガソリン代を抑えることができて経済的にも優しいです。
ハイブリッドカーの車両価格は、通常の車両よりも高く設定されていますが、日常の走行が多い人の場合は、年間で見ると支払うガソリン代にはかなりの額の違いが表れてきます。
また、ガソリンの消費が遅く給油が必要な回数が少ない事によって、実質的な手間が減る事も大きなメリットと言えます。
メリット②環境への影響
ハイブリッドカーは、電気で走行している時はCO2の排出を抑える事ができるため、地球にやさしいと言う環境面でのメリットも挙げられます。
また、ハイブリッドカーの環境性能は、国土交通省が定める基準値をクリアしていると言う事で、購入時に減税や免税の対象になります。
なお、一般的なハイブリッドカーの始動時にはバッテリー駆動のモーターが利用されるため、排気ガスなどの排出が抑えられるので、駐車スペースの周辺の木々やフェンスなどの保護や美化にもつながります。
メリット③購入時に適用される減税
ハイブリッドカーの購入時に適用される減税措置としては、【自動車税】【自動車重量税】【自動車取得税】の3つの税金が対象となります。
各モデルごとに適用される範囲は異なりますが、ハイブリッドカーの場合は最大で自動車取得税と自動車重量税が全額免除となり、自動車税(普通乗用車)が75%軽減され、軽自動車税(軽自動車)が50%軽減となります。
メリット④運転時の静粛性
ハイブリッドカーは、電気で動くモーターが利用されるため、運転時や始動時の静粛性もメリットです。
例えば閑静な住宅街に住んでいる場合、特に早朝や夜間は近隣の家にエンジン音が伝わってしまうと迷惑になってしまう事があります。
その点ハイブリッドカーは、セルモーターを回してエンジンを点火する訳ではないので、ガソリン車と比べて大きな音は出ません。
車種によっては、ハイブリッドシステムを始動するだけの車両もあり、非常に静かにエンジンを始動させられます。
また、低速走行で一定の距離であればガソリンエンジンを始動させずに走行できる車種もあるので、気を付けて走行することによって幹線道路に出るまで大きな音を出さずに走行する事が可能です。
メリット⑤エンジンが長持ちする
通常のガソリン車と比べると、ハイブリッドカーはモーター駆動との併用で出力を出しているので、エンジンにかかる負担は軽減されます。
発進から高速巡行までをエンジンのみに頼るガソリン車と比べ、ハイブリッドカーは発進・加速・巡行時もモーターのアシストが入るので、エンジンの劣化も緩やかになると考えられます。
ハイブリッドカーのデメリット
燃費が良い、環境に優しい、経済的にも優しいなどの多くのメリットを持つハイブリッドカーですが、もちろんデメリットもあります。
『購入価格が高い』『バッテリー寿命が短くなる場合がある』『走行音がない』『車内スペースが若干狭い』『環境によっては燃費が悪い』この5つを紹介します。
デメリット①購入価格が高い
ハイブリッドカーデメリットの1つは、同じような性能の車でもハイブリッドカーの方が購入価格が高くなってしまう事です。
中古車で購入する場合でも、購入価格はやや高めと言えます。
もちろん、ガソリンエンジンモデルと比べてガソリン代は大幅に削減することはできます。
また、購入価格が高いという事は売却時にも高く売れるということなので、ハイブリッドカーの購入価格が高いという事に関しては、そこまで大きなデメリットとして捉える必要はないと考えられます。
デメリット②バッテリー寿命が短くなる場合がある
ハイブリッドカーは駆動用バッテリーに貯めた電気で走行をアシストするという仕組みであるため、駆動用バッテリーの寿命は燃費性能に直結します。
ハイブリッドカーが出始めたころは、駆動用バッテリーの不具合はありましたが、現在では一般的な走行距離であれば駆動用バッテリーはほとんど交換が必要ないレベルまで進化しています。
ただし、極端に駆動用バッテリーを酷使するような使い方をすれば、10年10万㎞になる前に駆動用バッテリーが大きく劣化することもあります。
駆動用バッテリーを交換する事になった場合、かなり高額な費用が掛かってしまうので、注意が必要です。
デメリット③走行音がない
ハイブリッドカーがモーターのみで走行している時は走行音がほとんどしないので、歩行者などに近づいていることが気付かれにくいと言うデメリットもあります。
ガソリン車であれば一定のエンジン音が鳴るため、近くに歩行者が歩いていても飛び出してくることは避けられますが、ハイブリッドカーの場合は歩行者が気付かずに急に飛び出してくる可能性もあります。
この事から、最近のハイブリッドカーでは時速20㎞以下になると、意図的に音を出す車両接近通報装置が標準装備となっており、メーカー側でも対策が考えられています。
デメリット④車内スペースが若干狭い
ハイブリッドカーは大きな駆動用バッテリーを搭載している関係で、ガソリン車と比べると室内が若干狭くなる事があります。
もちろん、自動車メーカーもできる限り室内スペースが圧迫されないように駆動用バッテリーの配置を工夫しているので、荷室が大きく削られるなどという事はありません。
デメリット⑤環境によっては燃費が悪くなる
走行する環境によっては、ハイブリッドカーでも燃費がガソリン車とあまり変わらない場合があります。
例えば、高速道路のように道幅が広くスピードを出す道路では、ガソリン車とハイブリッドカーの間で燃費の差があまり出ない可能性もあります。
しかし、ハイブリッドカーは速度が低くても燃費の効率が良いと言えるため、日本のようい狭い道や信号での停車が多くあまりスピードを出さない道路には適していると言えます。
車種によっても大きく異なりますが、信号の少ない山間部などに住んでいる場合は、ガソリンエンジンでも燃費の良い走行ができるので、ハイブリッドカーのメリットを十分に活かせないケースもあります。
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まとめ
ハイブリッドカーの仕組みや特徴、メリット・デメリットなどを紹介してきましが、いかがでしたでしょうか?
燃費が良く環境にも優しいハイブリッドカーの人気は高まってますが、走行音を含め静かすぎて歩行者が気付かないなどの、メリットであったはずの事がデメリットにもなってしまう事もあります。
また、走行環境によって燃費がガソリン車と変わらないなどの事を考えれば、自分の環境にあった車選びをする事が大切ですね。