
春先から秋ころまでの長期にかけ、人間を困らせる蚊。ボウフラは、その蚊の幼虫であることで知られています。
蚊の吸血被害を予防するためにも、ボウフラの駆除方法はきちんと押さえておきたいところです。一体、どのようなものがあるのでしょう。
小さな水たまりに発生したボウフラは10円で駆除
水流がない水たまりであれば簡単に発生してしまうボウフラ。
ボウフラ自体は血を吸うわけではなく、寧ろ水質の浄化に役立ってくれる側面を持っているのですが、蚊になることを考えると駆除せずにはいられません。
浄化槽や排水溝などのそれっぽいところに発生した場合には、薬剤を使って駆除すればよいですが、庭に置いておいたタイヤの内側に溜まった水や、水が溜まったままにしている花瓶など、薬品投与が憚られるケースもあるでしょう。
その時に役立つのが10円玉です。
10円玉に含まれる銅イオンがボウフラ駆除に役立つ
ボウフラ駆除に役立つのは、厳密に言うと10円玉というよりも銅です。なので、銅板を買って、ボウフラがいる水たまりに投入するのがベストですが、上記のようなタイヤの内側や花瓶などの場合など、難しいケースもあるでしょう。
10円玉であれば、小回りが利きます。
水量の多いところでのボウフラ駆除は10円よりも銅板で
では、水槽のような大型の水たまりの場合はどうなのでしょう。
ボウフラを駆除するのに適した銅イオンの放出するために必要な10円玉の数は、1リットルあたり20枚程度なのだそうです。 ちょっと多いですよね。
また、水の量が多いと10円玉が錆びる心配もあります。錆びてしまっては効果が半減です。水槽のような大きなところでは、素直に銅板を使った方が良いでしょう。
ボウフラ駆除にはメダカが役立つが稚魚は逆に食べられるのでNG
屋外においてある水槽や小池などにボウフラが発生した場合には、10円玉ではなくメダカを活用すると良いでしょう。メダカはボウフラが大好物です。ただ、注意点もあります。
小型のメダカや稚魚はいれない
メダカは対象物を噛みちぎって捕食をするわけではありません。丸のみです。従って、ボウフラが口に入るサイズの大きさのメダカでなければ行けません。必然的に、幼魚ではなく成魚が必要になります。
メダカの稚魚はボウフラに食べられてしまう
ボウフラ退治用に投入するメダカが、稚魚な場合は最悪です。ボウフラを駆除するどころが、逆に食べられてしまいます。
先々メダカを飼育することを考えて、稚魚をという考えはよくわかるのですが、ことボウフラ駆除という観点からで言えば、メダカの稚魚はNGですので、気を付けましょう。
メダカを屋外で飼う場合には、アオミドロに注意を
恐らく、ボウフラ対策でメダカを入れる、となった場合、ほぼ確実にその水たまりがある場所は屋外でしょう。その際には、アオミドロの大量発生に注意してほしいと思います。
折角、ボウフラ駆除の立役者となってくれたメダカです。できるだけ天寿を全うしてほしいでしょう。
詳細はこちらに書いてありますので、あわせて読んでいただければ幸いです。
ボウフラ駆除はハイター等でもできる!側溝など場所ごとで使い分けを
ここまでは、10円玉(銅)とメダカを活用したボウフラの駆除方法を紹介しましたが、ボウフラの駆除方法は実に多彩で、まだまだその方法があります。列記する形で、準に紹介をしていきます。 王道の、専用殺虫剤や業務用の薬などでの駆除から、家庭に常に存在している塩や油、ハイターなどの塩素系漂白剤を使った駆除まで、実に多彩な方法があります。
側溝のボウフラ駆除は熱湯で
最も手軽なボウフラ駆除方法でしょう。高熱の水温化ではボウフラは生きられません。沸騰したお湯をかければ、ボウフラはイチコロでしょう。
ただし、言うまでもないですが、高温ですので周りのものにも影響があります。タイヤの中や空いた花瓶に発生したボウフラを退治するのには恐いものがありますし、排水溝で行うにも、部品に負担をかけかねません。
熱湯をかける場合、側溝や道路上の水たまりなどがベストではないでしょうか。側溝のようなコンクリートや、道路のようなアスファルトであれば、熱湯程度の温度であれば何の影響もないでしょう。ただし、冷めてしまったら、またボウフラが発生しますので、熱湯をかけて冷めたらすぐ、水たまりを除去しましょう。
塩を使ってボウフラ駆除
庭に排水をさぜるを得ない状況でさえなければ、最も手軽なのが、塩を使った駆除でしょう。恐らく、塩は、家庭内で最も在庫切れの心配が少ないアイテムのひとつと言えるのではないでしょうか。
ボウフラにも多くの種類がいて、海岸で生息するタイプのボウフラには効き目がないのですが、家庭に発生するボウフラは、ほぼ確実にそうではありません(海辺にお住まいの方はわかりませんが・・・)。基本的にボウフラは塩分濃度の高い水では生きられませんので、効果があるでしょう。
ただし、その排水を植物が生えている庭などに行うのは控えましょう。植物をダメにしてしまいます。
油を使ってボウフラ駆除
同じく、家庭にお馴染みのものといえば、油です。
この手法は、ゴキブリの駆除などにも言える(ゴキブリの場合は界面活性剤)のですが、油を使って水面に膜が張られることで、その水たまりにいるボウフラが呼吸できなくなってしまうのです。窒息してしまうわけです。
実は、ボウフラは空気から酸素を取り込んで生きています。水の中にいるので意外と思われるかもしれません。ボウフラは呼吸器をおしりの部分に持っており、水面に逆立ちをした状態でおしりを水面に出して呼吸をしているのです。だから、水面に膜が張られると呼吸ができなくなるわけです。
ちなみに、タブレット型のボウフラ専用殺虫剤である「防フラちゃん」は、まさにその油膜の原理を使って作られた殺虫剤になります。
食器用洗剤でボウフラ駆除
油と同じ原理でボウフラを駆除できる生活アイテムが、食器用洗剤です。油と同じように、水たまりに食器用洗剤を垂らすことにより、水面に洗剤による膜が張られ、ボウフラが呼吸できなくなるのです。
重曹でボウフラ駆除
ボウフラは、アルカリ性の水質が苦手とされています。上記の油や食器用洗剤のような呼吸困難にさせるという方法ではなく、ボウフラが生きにくい水質にするということで、ボウフラ駆除を狙う方法です。
重曹によるボウフラ駆除も効果はあるようなのですが、何より問題なのは、完全駆除に時間がかかるようです。3日以上の長期戦は覚悟しないといけないでしょう。
ただ、水質改善ができるのは確かでしょうから、ボウフラを発生させないための予防としては効果があると思われます。
空いた花瓶に溜まった水で発生したボウフラ駆除などに良いのではないでしょうか。
ハイターなどの塩素系漂白剤は排水溝や側溝のボウフラ駆除に効果的
家庭用アイテムで劇的な効果を期待するなら、ハイターなどの塩素系漂白剤がよいでしょう。塩や油、食器用洗剤といったアイテムは、確かに効果がありますが、塩素系漂白剤に比べると、駆除までに時間がかかってしまいます。完全駆除までに2~3日はかかるでしょう。
ですが、塩素系漂白剤であれば、ほぼその日のうちにボウフラ撲滅が可能です。特に、側溝や排水溝といったところであれば、スプレータイプの塩素系漂白剤であればなお手軽です。スプレーを数吹きさせれば良いだけですので。
ただし、ペットや小さなお子さんがいる家庭、隣家への影響が心配な集合住宅などの場合、使うことが躊躇われるでしょう。その場合は、排水溝であれば無理せず家庭用洗剤で、側溝であれば熱湯辺りで対処しましょう。
市販の専用殺虫剤でボウフラ駆除
ここまでは、殺虫剤を使わない駆除方法を紹介しましたが、言うまでもなく、殺虫剤を使って差し障りない状況下であれば、迷わずボウフラ専用の殺虫剤を使うのが一番です。
種類も実に多彩で、さきほど紹介したコジット社の「防フラちゃん」のほか、フマキラーの「ボウフラ退治」やアース製薬の「バポナ」など、多くの市販品が売られています。
ボウフラ駆除が可能な錠剤タイプや粒剤タイプの薬もある
ボウフラ駆除に効果的な業務用の薬も存在します。もともとは、工業地帯に発生するユスリカの幼虫やチョウバエの幼虫駆除で開発されたもののようですが、ボウフラ駆除にも効果があります。
市販の専用殺虫剤に比べて、価格が高めな点と、使い方が難しい面はあるようですが、効果で言えば、これらの業務用の薬がベストと言えるのではないでしょうか。
意外に思われるかもしれませんが、これらの代表的な商品である「デミリン」(三井化学アグロ)や「ボンフラン」(アグリマート)辺りが代表格だと思いますが、これらの商品は、ネット通販サイトやホームセンターなどでも購入可能です。
四の五の言わず、とにかくボウフラ駆除、という方には最適かもしれません。
まとめ
1.ボウフラを漢字で孑孑と書くのは、腕がない子供(幼虫)の状態を表した象形文字なのが理由。
2.薬剤投与しづらい(するまでもない)水たまりのボウフラ駆除には10円玉がオススメ。10円玉が発する銅イオンがボウフラを駆除する。
3.メダカを使ってボウフラ駆除する場合には、稚魚はNG。ボウフラを丸のみできる大きさのメダカにすること。
4.ボウフラ駆除の手法は様々ある。熱湯、塩や油やハイターなどの塩素系漂白剤といった家庭用品から、専用殺虫剤や業務用の駆除薬まで幅広く存在する。
5.ボウフラ駆除手法は、家庭環境やその発生場所(側溝や排水溝やタイヤの内側など)によって柔軟に使い分けするのが望ましい。