ゴミムシは害虫?それとも益虫?臭いプラス灼熱の屁が特徴

昆虫として最大級にインパクトがあるネーミングの、ゴミムシ。いったいどのような虫なのでしょうか?

ゴミムシは害虫なのか?

ゴミムシは、コウチュウ目オサムシ科に属する昆虫です。ゴミムシの名前の由来は、その捕獲対象にあります。ゴミムシが捕食対象とする小さな昆虫が、ゴミの周りにいることが多く、それにつられたゴミムシが目撃されることから、ゴミムシと呼ばれるようになったのが有力です。

ゴミムシ自体は人間にとって特に害はありません。自然界においては、ゴミの周りや腐乱死体などに群れているわけではなく、枯れ葉や石の下にいますから、ゴミムシ自体は特に不衛生でもありません(ゴミの周りにいるゴミムシは流石に不衛生でしょうが)。そういった意味では、不快害虫のカテゴリーには入るでしょう。

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ではゴミムシは益虫なのか?

ゴミムシは、植物にとっては益虫である側面も持っています。幼虫、成虫ともに、植物に害を及ぼす昆虫を食べてくれます。具体的には、ネキリムシ(植物の根っこを食べる)、青虫やヨトウガの幼虫(葉っぱへの食害がある)などを、ゴミムシは餌にするのです。それらを食べ、フンとして排泄することで、土壌の循環が促されます。

また、ガイマイゴミムシのように、イエバエを捕食するゴミムシも存在します。

ゴミムシは臭い?ヘッピリムシはゴミムシのこと?

ゴミムシは、外敵から身を守るために悪臭を放ちます。カメムシみたいなものですね。つまり、身の危険を感じたゴミムシは臭いということになります。

最近は耳にしませんが、「ヘッピリムシ」という言葉を耳にしたことがある方も多いかと思います。あの、ヘッピリムシとは、ゴミムシのことを指します。正確には、カメムシも該当するので、ゴミムシ“も”ですが。

ちなみに、私は聞いたことがありませんが、ゴミムシは、ヘコキムシという呼ばれ方もするようです。

ゴミムシの武器は灼熱の屁

ただ、同じヘッピリムシでも、カメムシとゴミムシでは、身の守り方(悪臭の放ち方)が違います。

カメムシは、臭い液体を発して外敵から身を守ります。対してゴミムシ、中でも、ミイデラゴミムシという種は、臭いもそうなのですが、温度にして100℃にもなるガスを、「ブッ」という音とともに体内から放ち、外敵から自身を守るのです。まさに、灼熱の屁と言えるでしょう。

ゴミムシの屁は化学物質が反応してできるもの

ゴミムシの屁は、人間のそれとは異なります。人間のはメタンガスですが、ミイデラゴミムシの場合、体内で過酸化水素とヒドロキノンを化学反応させ、ベンゾキノンという物質になり発生するものです。いわば水蒸気爆発といったところでしょうか。

この、ベンゾキノンという物質は、動物にとっても有害物質なようです。言わば、毒と高熱のハイブリッドで相手を攻撃し、身を守っているというわけです。

特にミイデラゴミムシは放屁の代表的な存在として知られている

このような屁を放つのは、ミイデラゴミムシが属するホソクビゴミムシ科のゴミムシに共通しているのですが、特にミイデラゴミムシは、その目立つ外見(黄色の斑紋)と豪快な音で、屁を放つゴミムシの代表格的な存在として知られています。

ゴミムシの屁は屁にあらず

実は、ゴミムシの屁は、屁ではありません。どういうことか?というと、厳密に言うと、肛門からは出ていないのです。肛門の近くにあるもう1つの、放屁というか、その高温かつ毒性のあるガスを発射する専用の穴があるのです。

しかも凄いことに、ゴミムシは、屁を放つ方向を自分で調整できるのです。そうやって、外敵に正確に放てるような仕組みとなっているわけです。

ミイデラゴミムシの熱くて臭い屁を浴びれば、天敵のカエルもギブアップ

ゴミムシの中でも、特に強烈な屁をもっているミイデラゴミムシには、カエルという天敵が存在します。体長1.6cmほどしかないミイデラゴミムシは、カエルの口にすっぽり入ってしまう大きさです。

ですが、この時にあの強烈な屁が力を発揮します。ある研究ですと、カエルに飲み込まれたうち43%が、カエルの口から生還したという検証データがあるそうです。ちなみにこの際、カエルは口の中に火傷を負ってしまうそうです。

人間の手の上でミイデラゴミムシが放屁をすると皮膚炎などのケガをするので危険

ミイデラゴミムシは、北海道から奄美大島まで、日本国内に広く分布しています。

こういう特徴的な虫です。小さなお子さんがいる方は、自由研究の題材にもってこいでしょう。 しかし、気を付けてください。素手でミイデラゴミムシ(ゴミムシ)の屁に触れてしまうと、熱さとともに激しい痛みが走ります。そして、皮膚炎を引き起こしてしまう場合もあります。

命には別状がないとはいえ、診察が必要なレベルのケガにはなりますので、充分注意してください。

まとめ

1.ゴミムシは、家庭でゴミの周りに発生した時は、ゴミに触れるという衛生面の点から害虫(不快害虫)と言えなくはないが、基本的に人間にとって害はない

2.ゴミムシは、自然界においては、植物に害を及ぼす虫を結果として捕食するため、益虫として機能している。

3.ゴミムシは、外敵から身を守るため、灼熱とも言える高温の屁で外敵を攻撃する。人間が素手で触ると、激しい痛みを伴い皮膚炎を起こし得るので注意を。

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