
玄関外やベランダの壁を見ると、ときどき止まっている謎の虫。蚊のような、ナナフシのような、はたまたトンボのような・・・。
実はあの虫、「ガガンボ」という名前がついています。
ガガンボ(カトンボ)は蚊の仲間だけど人は刺さない
ガガンボは、「カトンボ」という名前でも呼ばれています。カトンボなら聞いたことがあるという方もいるでしょうか。
ガガンボは大きく分ければ蚊の仲間
カガンボは、カトンボという別名のごとく、大別すると蚊の仲間になります。分類上は、ハエ目カ亜目ガガンボ科となります。
ガガンボは、ガガンボ科として独立されていることからも何となく想像がつくように、世界に広く分布しています。日本にも多く種類がおり、キリウジガガンボやミカドガガンボは、本州や四国や九州などに生息しています。
ちなみに、日本では、冷感地だとガガンボモドキという、ガガンボに酷似した虫がいます。こちらは肉食性で、他の昆虫を食べて暮らします。
ガガンボは人間の血を吸わない
ガガンボと蚊の最大の違いは、主食としているものでしょう。蚊(メス)は、ご存じのように生物の血を吸いますが、ガガンボの成虫は、花の蜜を吸います。ガガンボは人間の血を吸わないのです。
ガガンボ幼虫は植物の根を食べるため害虫となってしまうことも
従って、ガガンボの成虫は、一般家庭においてはほぼ害になることはありません。食品工場などの場合には、混入異物となり得るため別ですが。
ただし幼虫は別です。蚊と大きく異なる点の1つに、幼虫の生息地帯があります。蚊の幼虫(ボウフラ)は水の中で過ごしますが、キリウジガガンボの幼虫など、ガガンボの一部は、土の中で過ごします。
その際、一部のガガンボの幼虫は、植物の根を好んで食べます。水田の地中にガガンボの幼虫が発生した場合は、稲の根が幼虫によって食べられてしまい、被害が発生します。
ガガンボは基本的に無害なうえに追い出すのも簡単
その見た目のグロテスクさから、ガガンボを目にしてしまうと、ついつい駆除したいという心理にかられるかもしれません。しかし、結論からすると、駆除は不要です。
なぜなら、ガガンボは基本的に無害なうえに、光に寄っていく走光性があるので、追い出すことが簡単だからです。
そうはいっても、少しでも早く追い出したいとか、気持ち悪いから無理、という方のために、ガガンボの駆除方法を紹介します。
筆者的には、10日程度しか生きられないガガンボなので、殺生はせずに追い出す程度にして欲しいものですが・・・
光の方向にむかって団扇や下敷きで仰ぐ
ガガンボは、その大きさ(キリウジガガンボで体長15〜18mm)と、蚊と同じく飛行速度が遅いことから、風を与えることで吹き飛ばすことが簡単です。また、多くの昆虫と同じように、光に寄っていく走光性の習性があります。
もし家に侵入してきたら、室内の照明を落として、団扇や下敷きなどで、ガガンボを外に向かって力いっぱい仰ぎましょう。玄関外にいて追い出し場合には、強めに息を吹きかければ、どこかに飛んでいきます。
玄関や外壁に虫よけスプレーをかけておく
ガガンボを目にすることから憚られる、という方は、玄関や外壁用の虫よけスプレーで対処をしましょう。ガガンボは体質が弱い虫なので、効果はてきめんです。
まとめ
1.玄関外やベランダの壁に張り付いている、大きい蚊のような虫は、ガガンボ(別名カトンボ)という。
2.ガガンボは蚊の仲間だが、花の蜜を主食としており、人間の血は吸わない。
3.ガガンボは動きが遅く、光に寄っていく光走性もあるので追い出すのは簡単。蚊と違って、人間にとっての被害は特にない。