ブレーキオイル(ブレーキフルード)は交換不要?交換時期・役割など

ブレーキオイル(ブレーキフルード)は、油圧式ブレーキの車には不可欠なものですが、普段あまり気にする事が無いという人は多いと思います。 

また、一度も交換したことがないという人も中にはいるみたいです。 

ボンネットを開けてリザーバータンクを見ても、「まだ減ってないから大丈夫」と思っている人もいますが、車の状態を維持するには交換の必要性も出てきます。 

しかし、具体的な役割や適切な交換時期を知らない人がほとんどだと思います。 

そこで今回は、ブレーキオイル(ブレーキフルード)の基本的な概要や交換時期の目安などを解説していきます。 

そもそもブレーキオイル(ブレーキフルード)とは? 

車のフットブレーキの多くは、油圧式ブレーキが採用されていますが、ブレーキオイル(ブレーキフルード)とは、この油圧式ブレーキで使用される作動油の事を指します。 

よくエンジンオイルと間違えられますが、根本的に役割が異なるため、この2つのオイルの違いも理解しておきましょう。 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)とエンジンオイルは違う 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)はその名の通りブレーキに関係するオイルで、ブレーキを適切に動かすためのものです。 

エンジンオイルは、エンジン内部の部品同士の摩擦を抑制したり、熱を吸収したりする事でガス抜けや故障などを防ぐ役割を担っています。 

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ブレーキオイル(ブレーキフルード)の役割 

油圧式ブレーキの作動時に、スムーズかつ安全に車の速度を落とす役割を担っているのがブレーキオイル(ブレーキフルード)です。 

ブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキオイル(ブレーキフルード)がブレーキキャリパー内のピストンを押し出して制動力を伝えます。 

また、ブレーキオイル(ブレーキフルード)はブレーキペダルにかかった踏力をマスターシリンダーで油圧に変換させ、そこで発生した油圧がブレーキパイプを通る事で、ホイールシリンダーに伝わる仕組みです。 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)のタンクはエンジンルームにあり、タンクは半透明で適量を表す目盛りもあるため、オイルの残量や汚れは目視で確認できます。 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)交換が必要な理由 

エンジンオイルは皆さん交換すると思いますが、ブレーキオイル(ブレーキフルード)もエンジンオイル同様、劣化するので交換が必要になります。 

そのまま交換しないでいると本来の効果を発揮しなくなり、ブレーキが効きにくくなります。 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)は吸湿性が高い成分でできており、水分を取り込むにつれてオイルの沸点が低くなります。 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)が沸騰すると気泡が生じ、ピストンやシリンダーに上手く油圧が伝わらなくなるため、「ベーパーロック現象」を引き起こし大変危険です。 

ベーパーロック現象とは 

ベーパーとは蒸気の事を意味しており、液体の配管内で発生する現象です。 
液体配管が蒸気によって閉ざされた状態になる事で、液体はほとんど圧縮されず油圧装置では圧力を伝える事が不完全なため、ブレーキの効き目が不完全なまま空気が抜けた感覚になってしまいます。 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)の交換時期の目安 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)交換のタイミングを判断できない場合は、『走行距離』や『使用期間』を目安にするとわかりやすいと思います。 

また、劣化による『変色の進み具合』を基準に判断してもいいと思います。 

劣化の状態は運転の頻度によっても異なるので、自分の車にあった交換時期を見極める事が大切です。 

走行距離や使用期間の目安 

走行距離を基準にする場合、10,000㎞前後走行したタイミングが適切な交換時期と言われています。 

また、使用期間を目安にするなら前回の交換から1年程度経過した時期になります。 

目安としては「エンジンオイルが半年毎の交換」なので、2回目のエンジンオイル交換と一緒にブレーキオイル(ブレーキフルード)も交換すると忘れないで交換できると思います。 

どんなに長くても2年又は20,000㎞で交換しなくてはならないので、車検の際は必ず交換するようにしましょう。 

オイルの色で判断する目安 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)は、新品の状態では透明に近い薄い黄色ですが、使用する頻度によって色の変化が現れてきて、薄い黄色から茶色になり、そこから茶褐色になります。 

このように、長時間の使用や時間の経過で黒くなってしまいます。 

ただし、メーカーによってはといった特殊な色付けをしている場合もあるので、黒ずんだ色をしてきたら劣化してきていると判断できます。 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)は自分で交換できる? 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)は「重要保安部品」である事から、素人が手を加える事はオススメできません。 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)交換は知識と技術を持ったプロにお任せしましょう。 

オススメしない理由 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)の注意すべき点は、塗装面に付着すると塗装の奥深くまで浸透してしまい、修復不可能になり塗装修理代が高く付く事になります。 

ABS付き車両の場合は専門的な知識が無いのに自己判断で交換すると、どんな不具合を起こすか予測できません。 

また、サイドブレーキがリアキャリパを利用するタイプの車は、サイドブレーキをかけたままだとエアー抜きができない場合があります。 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)の交換に失敗すると、ブレーキが効かなくなってしまうので、交通事故に直結してしまいます。 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)は、人命にかかわるデリケートな作業なので専門家にお任せしましょう。 

まとめ 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)の交換時期などを紹介しましたがいかがでしたでしょうか? 

ブレーキオイル(ブレーキフルード)は、車を安全に走行するための制動をコントロールするために重要な油圧機器の潤滑油です。 

走行距離や使用期間、オイルの色の変化などで交換時期を判断できるので、ディーラーや整備工場で確実に交換して、安全・安心なカーライフを送りましょう。 

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