
見た目が可愛いアライグマ。可愛いのに駆除する必要ないと思っている人は多いと思います。アライグマを調べてみると、実は農家への被害が深刻化しています。ここ数年では住宅街にも現れて、被害が起きています。なぜそうなったんでしょうか?撃退するにもまず敵を知らなければ戦えません。
そこで今回はアライグマの生態・危険性・被害・撃退する方法などを勉強していきます。
アライグマの生態
アライグマは本来日本には生息しない外来種です。気性は荒く、人に危害を加えたり、感染症をもたらす可能性があります。日本の在来種を捕食するため在来生物の生存を脅かす危険性もあり、さらに日本全国で農作物に深刻な被害をもたらしています。そのため、ヒアリなどと同じく、特定外来生物として環境省に指定されていて、防除対策や駆除も広く行われています。
アライグマは雑食性で、触れるものは何でもエサとして食べてしまう適応力の高さを持っています。また子どものアライグマの成長スピードも1ヶ月で平均1㎏と早いのが特徴です。メスは生後1年で出産可能となり、1年に約4頭を出産するなど、繁殖力も高いため、本来生息していない場所でもあっという間に繁殖してしまいます。
アライグマの危険性
アライグマにはいろいろな寄生虫や病原菌などを持っています。不用意に触ったりしてしまうと感染症などの病気にかかってしまいます。
回虫症
アライグマはアライグマ回虫という寄生虫を保有しています。人に感染すことはほとんどありませんが、感染してしまうとアライグマ回虫症が発症してしまいます。ひとが発症してしまうと、肺や脳などを移動し、中枢神経に入ると炎症反応などを引き起こします。発症ほとんどないとはいえ発症してしまうと重症な神経疾患を引き起こしてしまうので、注意が必要です。
狂犬病
日本では、近年狂犬病の報告はありませんが、感染してしまうとほぼ100%死亡してしまうという非常に恐ろしい病気です。しかし、アライグマは狂犬病に感染しても、他の動物より長く生き続けます。長く生き続ける分さまざまな病気を媒介する可能性があるため、アライグマに不用意に接触するのは、非常に危険です。
ダニ
アライグマに付着しているマダニは、感染症を引き起こす可能性があります。アライグマを介してマダニに刺されたとしても、必ず感染症にかかってしまうわけではありません。もしも発症したとしても、適切な治療を受けることでほとんど回復します。しかし、重篤化して死亡してしまうこともありますので、けっして油断はできません。マダニに刺された場合は、数日間体調の変化に注意して、何かしらの違和感があった場合は、すぐに病院に行ってください。
アライグマの被害
アライグマの被害で1番多いのが、糞尿による被害です。アライグマはハクビシンやタヌキと同じで、ため糞をしますので放っておくとどんどん家の中に糞が溜まっていきます。そのままにしておくと、糞の重みで屋根裏や天井の床が腐って抜け落ちたり、放置された糞が悪臭をはなったり、大量の糞尿が下の部屋に染み出して、滴り落ちたりします。
他にも屋根裏や壁の間にある断熱材は、フワフワとしていて巣の材料としてはうってつけなため、断熱材で作った巣に子供を産んでしまうこともあります。
糞尿で家が汚れる・床がぬける・断熱材がちぎられる・家の柱や壁を傷つけるなどさまざまな被害があります。
アライグマ撃退法
アライグマは外来生物法で定められた在来の生物を捕食したり、生態系に影響を及ぼす可能性がある特定外来生物ですが、鳥獣保護法で保護されていて、勝手に捕獲したり駆除してしまうと法律により罰せられてしまいます。
それでも撃退しないと自分の家が守れません。自分達でできることは、追い払うことと、家に侵入させないことです。
金網で侵入対策
アライグマによる被害を無くすためには、まずはアライグマを家に侵入させないことです。アライグマの侵入経路となる天井裏などに通じる隙間などを金網などでしっかりふさぐことで、アライグマの侵入を防ぐことができます。
アライグマは手先がとても器用なので、侵入口にものを置いておくだけでは、どかして入ってくる可能性があるため、金網などでしっかりふさぐことが大切です。
臭いで撃退
アライグマが自宅に住み着いてしまうのを防ぐために、アライグマが嫌な臭いを発生させて住みにくい環境を作ります。アライグマが嫌いな臭いとしてあげられるのは、トウガラシやハッカ、シナモンなどのハーブ系の匂いです。
これらのアライグマが嫌がる匂いのするものを、侵入経路に置いたり、吹きかけておいたりすることで、大きな効果が期待できます。簡単にできるのでオススメです。
また、害獣対策としてよく利用されている木酢液もアライグマにも効果的です。しかし、木酢液は雨で流されてしまったり、アライグマがその匂いに慣れてしまうこともありますので、注意が必要です。
もう1つ効果が期待できるのが、アライグマの天敵の尿の臭いを置いておく方法です。アライグマの天敵といえば、オオカミやオオヤマネコなどの大型肉食動物です。これらの尿の臭いのついたものを置いておけば、アライグマを追い払うためにおおきな効果が期待できます。
バルサン(燻煙剤)・獣除け線香で撃退
燻煙剤はバルサンなどでお馴染みの、煙を発散させて殺虫・殺菌させる薬剤のことです。バルサンにはアライグマが嫌がる臭いを発生させる成分が入っているため、アライグマを追い出すことが可能です。屋根裏や床下などで使用すると効果的です。
そのほか煙を使う害獣対策としてオススメなのが、獣除け線香です。お線香にアライグマが嫌がるトウガラシ成分が入っているため、アライグマを寄せ付けません。
まとめ
アライグマは可愛らしいイメージとは違い、凶暴で人を襲うこともあるとても危険な動物です。家の屋根裏などに侵入して巣を作り、ため糞などのせいで建物にも被害を及ぼし、病原菌で人にも害がでます。まずは金網や臭いや燻煙剤などでしっかり対策をしてください。
もし、アライグマが繫殖してしまったりして駆除が必要な場合は、自分で勝手に駆除できないので、業者さんに相談してください。