
アクアリウムの領域では厄介者の一種として有名なアオミドロ。
今回はアオミドロの生態や大量発生の防ぎ方について解説します。
アオミドロは富栄養化した水と光合成によって繁殖する
アオミドロ(青味泥)は、接合藻のアオミドロ属に属する藻類を指します。糸状になっている、見た目的にはもずくのようで、水に浮遊していたり、水草に絡まったりして水槽内に存在しています。
アオミドロの存在が嫌がられる理由は、大量発生することで水槽の景観を損なうことと、水草に絡まると、水草の光合成を阻害してダメにしてしまう点でしょう。
アオミドロは、魚への餌のやりすぎなどで、水槽内が富栄養化状態になっていることで発生します。
光があるところにアオミドロあり
また、アオミドロは光合成によって大量発生します。そういえば、中学生の理科の授業で、光合成の実験をする際に、アオミドロが使われた・・・。なんて経験をお持ちの方もいるでしょう。
アオミドロ×光合成の組み合わせは強力で、水槽内に直射日光は差し込む場合はもちろんのこと、間接的に日光が差し込む環境や、室内照明が長時間ついている環境でも発生してしまいます。
アオミドロはメダカを襲う?
メダカを飼っている人は、アオミドロがメダカに絡まっている光景をよく目にするのではないでしょうか?もしかして、アオミドロってメダカを襲うの?なんて思ってしまった方もいるでしょう。
ですがそれは違います。アオミドロがメダカを襲うことはありません。アオミドロにメダカが絡まるのは、メダカの習性が原因です。
メダカは、驚くと物陰などに素早く身を潜める習性があります。例えば、水草とかです。その、メダカが避難した際にアオミドロがメダカの体に絡んでしますのです。
メダカが身動き取れないレベルでアオミドロが絡みつくと危険
絡まっているアオミドロが少々ならいいのですが、その量が大量だと危険です。ときに、絡みついたアオミドロのせいで死んでしまうケースもあるからです。
また、アオミドロの大量発生は、硝酸塩濃度が上がること、つまりは水質悪化にも繋がりますから、大量発生はやはり防ぐべきでしょう。
アオミドロの大量発生を防ぐには?キーワードはヌマエビ?
アオミドロは、発生すること自体には問題ありません。あくまでも、大量発生が問題なのです。
従って、対策としては、アオミドロが大量発生したら駆除し、その後大量発生を防止する処置をする。これに尽きます。
アオミドロは目に見えるので、網やブラシですくい取ればOK
アオミドロを駆除するのに、特段の注意は要りません。魚を傷つけないように、網を水に入れて掬い取るだけです。水中の駆除はこれでOKです。
水草に絡まったアオミドロは、歯ブラシで絡めとりましょう。特に細かな条件設定はありませんが、毛先が硬めのよりは、柔らかめの方が良いでしょう。
水槽の日照時間を減らす
発生過多のアオミドロを取り除いたら、次は予防です。
アオミドロの発生を防ぐには、光合成を抑制することですが、光合成が必要なのは他の水草も同じです。完全にシャットアウトすることは難しいでしょう。
くどいですが、大事なのは大量発生の防止です。例えば、水槽に日除けをつけて、従来はほぼ終日直射日光に照らされていたのが、午前中だけになった、というのでも充分です。
ヌマエビを飼育する
もし、アオミドロが発生した水槽がメダカの水槽であれば、ヌマエビを飼育してみるのもいいでしょう。ミナミヌマエビはメダカとの相性が良い生物として知られています。
ミナミヌマエビは、アオミドロが大量発生した状態だと、アオミドロを食べ尽くすには至りませんが、人間の肉眼では見えない程度の繁殖段階であれば、アオミドロを餌として食べるようです。
こまめな水替えも忘れずに
最後に、水替えです。水槽内の富栄養化状態を防ぐには、こまめな水替えしかありません。熱帯魚の場合はまた話が変わってくるでしょうが、メダカの場合ならカルキ抜きをした水を、定期的に1/4または1/3程度交換しましょう。
まとめ
1.アオミドロは、糸状になっていて、水に浮遊していたり、水草に絡まったりして水槽内に存在している。
2.アオミドロは簡単に手で掬えるので、網や歯ブラシで生えすぎた分は除去する。
3.アオミドロの大量発生を防ぐには、過度に光合成をさせない工夫とこまめな水替えが大切。対象となる水槽がメダカの水槽なら、ミナミヌマエビを飼うと良い。