車のABSとは?ABS警告灯が点灯した時の意味・対処法など解説!

ほとんどの車に標準装備されているABS(アンチロック・ブレーキ・システム)ですが、このABSについて「どんな役割なの?」と疑問を持つ人も多いようです。 

また、ABS警告灯が点いてしまって「何か赤いランプが点灯したけど、どうしたらいいかわからない」と困った経験がある人もいるようです。 

そこで今回は、車のABSについてどんな機構でどんな時に役に立つのか、またABS警告灯はどんな時に点灯してどうやって解除するのか、解説していきます。 

ABSとは? 

ABSとは「Antilock Brake System」(アンチロック・ブレーキ・システム)の頭文字を取った略語で、急ブレーキ時や滑りやすい路面でのブレーキの際に車輪のロックを低減させ、車を短距離で安全に停止させるためのシステムです。 

例えば、急ブレーキをかけるとタイヤの回転が止まり、ロックされてしまいハンドル操作が難しくなりますが、ABSは急ブレーキをかけた時にタイヤがロックするのを防ぎます。 

断続的にブレーキ圧を調整して、ポンピングブレーキを自動的にかけているような状態にするので、タイヤは回転し続けることができるようになり、ハンドル操作で方向転換して障害物を回避する可能性を高めてくれます。 

それでは「急ブレーキをかけたら、いつもABSが作動するって事なの?」と思いますが、そういう事ではありません。 

ABSを作動させるには、強くブレーキを踏み込む必要があるため、日常的なシーンで簡単にABSが作動する事はほとんどないと考えてもいいと思います。 

ABSの仕組み 

ABSは主に『車両の減速度やタイヤの回転数を見ているセンサー』『ブレーキの油圧を作り出す油圧ポンプ』『圧力を調整するためのバルブ』で構成されています。 

センサーは必要なブレーキの強さを判断するために使われていて、特にタイヤの回転数を計測する「車輪速センサー」は、タイヤがロックされていないかチェックするのに重要です。 

また、油圧ポンプはブレーキのための油圧を作ると同時に余分な油圧を抜き取って下げる役割も持ち、その切り替えは油路の間にあるバルブで行っています。 

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ABS作動中の注意点 

では、緊急ブレーキをかけてABSが作動すると、実際にはどんな動作が起こるのでしょうか? 

まず、踏み込んだブレーキペダルに「強い振動」を感じ、作動音が聞こえます。 

ここで驚いて足を外してしまう人もいるのですが、ABSが作動している証拠なので怖がらずに踏み続けましょう。 

もう1つ気を付ける点があり、それはポンピングブレーキを自分でかけないという事です。 

上記で述べたように、ABSはポンピングブレーキを自動的にかけてタイヤのロックを防ぐので、そこにドライバーがポンピングブレーキをかけてしまうと、二重にかけている事になりうまくABSが作動しなくなってしまいます。 

ABSが作動したら、力一杯ブレーキ踏み続けてハンドル操作に集中するようにしましょう。 

ABS警告灯とは? 

メーターパネルの中にある警告灯の中にABS警告灯がありますが、これはABSが正常に作動している場合は点灯しないので、ABS警告灯が点いているという事はABSがなんらかの異常を示している事を意味します。 

上記で述べたように、ABSはドライバーの命を守る重要なシステムの1つなので、このABS警告灯が点いているという事は、注意が必要な状態と認識して速やかに車を停止して確認しましょう。 

ABS警告灯が点灯・点滅する原因は、様々な事が考えられます。 

車速センサーが故障している』『ブレーキに不具合がある』『ABS機能そのものの異常や電気系統の異常』などがあるため、素人が原因を特定する事は不可能です。 

ABS警告灯が点いた時の対処法 

走行中にABS警告灯が点いたら、まずブレーキを軽く踏んでみてブレーキのかかり具合に異常がないか確認しましょう。 

問題なくブレーキがかかる場合には、そのまま車を走らせても問題ありませんが、速やかにディーラーや整備工場などに持っていき点検をしてもらいましょう。 

また、バッテリーが弱っている事が原因でABS警告灯がが点灯してしまう事もあるので、整備工場などでバッテリーの残量も一度確認してもらうようにしましょう。 

ABS警告灯のそのまま放置はNG 

ブレーキはかかるから大丈夫でしょう」とか「ディーラーや整備工場にすぐには持って行けないし面倒」などと点検をしてもらわずに放置をしてしまう人も中にはいるようです。 

確かにただABS機能を失っただけで、通常通り運転していれば問題ないという考えもできます。 

しかし、走行中には様々な危険が付きものです。 

例えば、子供が見えない位置から飛び出してきたり、目の前の車が急停車をした場合など急ブレーキを踏んで危険を回避しなければならない状態は必ずあります。 

ABS警告灯が点いたらそのまま放置せず、早めに点検してもらうことがもしもの時のために重要なので、必ずディーラーや整備工場で点検してもらいましょう。 

まとめ 

今回はABSの意味やABS警告灯が点いた時の対処法などを解説しましたが、いかがでしたでしょうか? 

ABSは、普段の運転ではあまり意識すことはありませんが、ドライバーと同乗者や周りの他者の命を守るとても大切な機能です。 

いざという時のために、今一度正しい取り扱い方や作動した時の対処法などを確認しておくと安心してカーライフを送れると思います。 

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